15 ページ15
渡辺side
Aは昔から感情を表現するのが得意な子だった
楽しい時はすごく楽しそうに笑うし、悲しい時はいっぱい泣く
誰かが楽しければ自分も楽しいし、誰かが悲しければ自分も悲しい
愛情に溢れた女の子だった
『しょうた！だーいすき』
『大きくなったらしょうたと結婚する！』
そう口癖のように言ってくれていた
俺もAがその気なら別にいいかな、なんて強がって、当たり前のように思っていた
あの日までは
両親が亡くなった日から、Aの目から光が失われて、感情も消えた
俺はAの笑ってる顔を見たい
だけどしょうがないのかなって
Aが立ち直れる日が来たら笑ってくれるだろうって
時間任せにしていた
俺もお世話になったAの両親
命日にAの家に行った
Aも涼太も寂しいかなって
こんな日までバイトしてるAを迎えに行ってやろうと思ったのに
そこには知らない男と楽しそうに話しているAがいた
Aがこんなに笑ってるところ、久しぶりに見た
そんな笑顔、俺には見せてくれないじゃん
「翔太？」
渡辺「……ん」
「なんかあった？」
Aがすごく遠くに行ってしまうような寂しさと、あんな笑顔にさせたのが俺じゃないっていうただの嫉妬
俺はただの幼馴染なのに
渡辺「……さっきの誰？」
「目黒蓮くん。クラスは違うんだけど、選択授業が一緒なの」
渡辺「ふーん」
「たまたまバイト先に来てくれて、一緒にバイトすることになった」
渡辺「よかったじゃん」
「うん」
渡辺「気を付けろよ、変な男だったらどうすんの」
「蓮は大丈夫だよ、多分」
さっきの男もAって呼んでたし、男のことも蓮って呼んでるんだ
それに信頼してんだな、会って間もないのに
渡辺「ごめん、俺帰るわ」
「え？あがってかないの？」
渡辺「課題やってないの思い出した。じゃーね」
「うん…ばいばい」
黒い感情が渦巻いて、これ以上Aの口からあの男の話を聞きたくなかった
自分から聞いたくせに
Aを家の前まで送り届けて、自分の家までの道を急いだ
なんなんだよ、この気持ち
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 927人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あいな - 返信ありがとうございます。タイトルには[青]表記があった為読み始めたのですが、どっちが主役かわからないような出演頻度なのでちょっと悲しさもありますがお話が展開して幸せな気分になれることを期待してます。 (7月24日 1時) (
レス) id: 000a6ded84 (このIDを非表示/違反報告)
mame(プロフ) - あいなさん» キュンキュンできる展開、たくさん考えています🫶🏻渡辺くんはいざというときに男を出してくれる…はずです！ (7月19日 23時) (レス) @page44 id: 31de006ddb (このIDを非表示/違反報告)
あいな - 私も気持ちわかります！どのお話も1回は別の人と結ばれたりするんですよね〜キュンキュンできる展開見たいですよね。渡辺くん男出せ〜〜 (7月19日 17時) (レス) id: 000a6ded84 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - がっかりしないようにほどほどに期待しときます。 (7月19日 0時) (レス) @page42 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
mame(プロフ) - るなさん» 翔太くんがどうなるのか、楽しみにしていてください☺️ (7月18日 9時) (レス) id: 31de006ddb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mame | 作成日時：2023年7月3日 20時
