・ ページ29
渡辺side
「タクシーで帰るし、ここで大丈夫だよ」
Aちゃんにふっかのマンションを出たところでそう言われたけど、まだ一緒にいたいからなんとか理由を探す
渡辺「久しぶりに会ったしさ、少し話さない？」
これといった理由も思いつかず、とりあえず適当に歩くことにした
渡辺「歌舞伎見にきてくれてありがとね、ちゃんとお礼言えてなかったから」
「こちらこそありがとう！翔太くんの歌感動しちゃった」
LINEではお礼を伝えたけど、直接は伝えられてなかった
あんなに堂々と歌えたのはAちゃんのおまじないのおかげ
渡辺「Aちゃんは大丈夫？」
「え……？」
渡辺「ドキュメンタリー見て…あの時もうAちゃんと知り合ってたのに全然気づかなかったから」
「大丈夫だよ！元気」
まるで自分に言い聞かせるように答えるAちゃん
渡辺「大変だったら頼ってほしいな…なんて……」
こういう時なんて言えばいいのかわかんねえ
「ねえ……翔太くんはさ、自分のこと誰も知らない世界に行きたいって考えたことある？」
渡辺「…誰も知らない世界？」
唐突な質問すぎるけど、俺はまだデビューもできてないし考えたことがなかった
「芝生の上で寝っ転がって1日中空を見上げてても、友達とお買い物してても、好きな人と手を繋いでデートしても、誰にも文句言われないの、素敵じゃない？」
振り返ったAちゃんの笑顔はすごく寂しそうで、悲しそうだった
渡辺「Aちゃん…？」
「もうやめたい…っ」
渡辺「え……？Aちゃん？」
Aちゃんの瞳からは大粒の涙がこぼれて、声を押し殺しながら泣いている
渡辺「大丈夫？どうしよっか、えっと…」
人通りも多い道だから、こんなところで泣いているのはまずいよね…
渡辺「とりあえず…俺んち来る？」
どうしたらいいのかわからず思わず口から出てしまった言葉
Aちゃんは少し黙ったあと、こくんと頷く
渡辺「タクシー…つかまえるね、ちょっと待ってて」
タクシーを捕まえてAちゃんと乗り込む
泣くのを我慢しているAちゃんをただ見つめることしかできなくて
こういう時風磨とかどうしてんだろ
冷静に考えてAちゃん家に呼ぶってやばいよね？
風磨に怒られる？
いやこれは不可抗力だよな…
今日家出る時片付けてきたかな…なんて余計なことばかり考えてしまう
心臓はバクバクしながら家に向かった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 623人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mame(プロフ) - 美月（スノ担）さん» 美月様 リクエストありがとうございます🤲✨次作で宮舘目線入れたいと思います🫶🏻💞 (2023年3月21日 22時) (
レス) id: 31de006ddb (このIDを非表示/違反報告)
美月（スノ担）(プロフ) - よければ宮舘目線欲しいです！ (2023年3月16日 18時) (レス) id: cb7d34bfb5 (このIDを非表示/違反報告)
mame(プロフ) - 結乃さん» 結乃様 コメントありがとうございます！ほんとですね🥲修正いたします！教えてくださりありがとうございます🙇♀️✨ (2023年2月22日 11時) (レス) id: 31de006ddb (このIDを非表示/違反報告)
結乃 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜分遅くにいきなりすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 ･ページ20のここの部分 ホテルに戻ってくる○○←名前ちゃんを、見えなくなるまで見送る。 これ正しくはホテルに戻ってくではないんでしょうか？ (2023年2月22日 2時) (レス) @page20 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
mame(プロフ) - まり姉さん» 申し訳ございません（ ; ; ）修正させていただきました！教えていただきありがとうございます！ (2023年2月19日 21時) (レス) id: 31de006ddb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mame | 作成日時：2023年2月8日 20時
