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「あ、ちょっと待って。」
そう言って阿部は立ち止まる。視線の先にあった木に手をかざすと木が淡い緑色に光る。
植物は移動しない。それを利用して伝言をすることもある。一つ難点があるとすれば受け取り側が植物と会話ができる人でないといけないということだ。
「ふっかからだろ。何だって?」
「木は屋根と大きな柱になるのでいいって。」
そう言いながら阿部は手を伸ばす。するとまわりの木が何本か光り輝く。
森は人が手を加えないと荒れ果てていく。それを防ぐ為にもこうして木を切る必要があるということを以前躊躇する仲間に阿部は伝えたことがある。それからは阿部が切るべき木を仲間に教えている。
光っている木を佐久間たちは次々と切っていく。
「さてと、これくらいでいいかな。」
「じゃあ、阿部ちゃん! やりますか!」
「そうだね。」
その声を合図に2人は空に手をかざす。
「今日もお願いします。」
そう言うと当たりが淡い緑と桃色の光に包まれる。動物や植物が切り取った木々を運ぶ。
残された軽めの木々を4人で運ぶ。
森の入り口まで戻ると深澤とラウールはすでについていたようで、二人にも運ぶのを手伝ってもらう。
こんな時空間移動が使える人がいたら楽なのにねなんて雑談を挟みつつもすべて運びきる。
「残りはお昼食べてからにしな。」
そう宮舘が呼びに来たのを合図に家の中へと入る。リビングにはすでに盛り付けられた昼食が並んでいた。
「いただきます。」を合図に一斉に食べ始める。
食事が終われば祠の修理へと動き出す。
「思ってたよりも早く終わりそうだしついでに補強でもしとこうか。」
手際よく勧められた祠の修理は夕暮れには終わっていた。
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作者名:雪華 | 作成日時:2020年7月14日 22時