淡雪の舞うセカイ (ページ3)

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Das erste Kapitel ページ3

「さて、どうしようか。」
本来ならば何も予定のなかった午後。彼らは一つのテーブルを囲んでいた。
「せやけどさ、直さん限りはこのままやろ。一番あかんと思うわ。」
向井がそう言うのも仕方がない。
先日よりさらに降り積もった雪で老朽化していた建物が壊れたのだった。それもあろうことか祠としての役割を果たしていたものが。
互いを尊重する、それが契約を交わす中で一番大切なことであり、精霊使いは敬意を示すために祠を建てる。
「阿部ちゃんと佐久間は代わりになる木を探してきて、照と目黒は2人のサポートを。後は俺と一緒に祠周りの雪かきだな。」
深澤の指示を聞き全員が与えられた役割を果たすために動き出す。

「気を付けてね。」
「何かあったら佐久間さんが呼びに行くから大丈夫。」
心配する最年少の頭を佐久間が背伸びをしながら撫でる。その姿を見ながら岩本たちは笑う。
「佐久間置いてくぞー。」
その声に「はーい。」と返事をして佐久間は出ていく。深澤から呼ばれたラウールもすぐに彼のもとへと向かった。

「どう？」
「もうさ、ダテの力使って溶かしたほうが早ない？」
向井の声に宮舘は「翔太の方がいいんじゃない？」と返す。
「確かに！翔太君の力で熱湯をかける方が早く溶けるかも。」
宮舘の声を聞いたラウールが説明をする。宮舘はその説明に頷いた。
「舘さまもお願いできるかな。二人のほうが早く終わりそう。」
深澤の声に2人は頷く。あたりを赤色と青色の光が包み込んだ。

「よさげなのあるかなー。」
佐久間たちは雪の残る森を歩いていた。
「もう少し奥の方かな。」
阿部は植物と会話をしながらよさそうな木を探していく。
「お前ら夢中になりすぎて転ぶなよ。」
その忠告も聞こえてないようで。
「うわっ！」
転びそうになった佐久間を間一髪蔦が支える。
「阿部ちゃんありがとー。」
「転ぶなって照が言ってたでしょ。」
ワイワイ言いながらも4人は木を探していく。