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A「阿部さん、読みながら歩くとぶつかりますよ」
阿「そんなヘマはしませんよ笑」
A「もー…」
二宮金次郎ばりに、本やノートを読みながら歩くのには慣れてる。普通の、外の道ならやらないけどここは局の中だから。だれか歩いてきたらわかるしね。
A「わっ!」
阿「おっ!」
お腹に衝撃。下を見下ろすと楠さんの頭。
あっ、楽屋を見つけたから立ち止まったのか。背が低いから視界に入らなくて、気づかなかった…
A「阿部さん、どいてください」
阿「あっ、ごめんなさい」
A「司会の方に挨拶いかないと」
阿「あっ、そうですね、行きます」
A「一旦やめなさい!」
阿「えっ…」
急に声を張る楠さん。えっ…そんな声でるの?てか俺、怒られてる?
A「勉強したい気持ちはわかりますが、危ないです!私は潰されかけました!人にぶつかるかもしれません!やめて!」
阿「…すみません…」
まさか怒られるなんて思っていなかったから、びっくり。さすがに反省する、かも。ノートも取り上げられたし。
とりあえず挨拶だけササッとすませて、メイク室へ。メイク中は読んでもいいもんね!お勉強させていただきます。
メイク室には、宇治原さんの姿がある。今日は宇治原さんも一緒なのか。
阿「宇治原さん、おはようございます」
宇「おっ、阿部ちゃんおはよう!今日はよろしくなー」
阿「敵ですが笑 よろしくお願いします」
こちらにもサッと挨拶を済ませて。さ、ノートノート。
宇「ん?それなんなん?」
阿「これは僕のマネージャーのノートです」
宇「へぇ…?うわ、なんなん、めっちゃいい情報書いてあるやん!」
阿「ぁっ…見ないでくださいよ!」
宇「ええやん!見せてよ」
阿「だめです!これは俺のです!」
それでも見ようとしてくる宇治原さんからノートを死守して…あーもう、読めないじゃん!
メイクが終わった宇治原さんを追い出して、集中!やっぱいい情報あるわ…お、これとか問題に出そう。
メ「はい、阿部さん終わりですー」
阿「ありがとうございました」
メ「いえいえ、お疲れ様でした」
メイクさんにお辞儀をして、廊下へでると…楠さんと、あの後ろ姿は宇治原さん?
宇「けど今度、俺にも見せてよ。1冊やないんやろ?あれ」
A「まぁ…」
えっ、ちょっとまって、ノートの話だよね。雲行きが怪しすぎる!
宇「阿部ちゃんが読んだことがないやつ、俺に見せて 阿「だめです!」
間一髪…か!?
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作者名:まめ | 作成日時:2022年10月22日 14時