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荷物…というか、鞄まるごと手に、岩本さんに先導されて、佐久間さんに話しかけられながら駐車場へ向かう。
二人の足取りは軽い。
わたしの足取りは重い。
だってこれから、この２人を乗せて、慣れないでかさの車を運転するんすよ…むりでしょ…大人気アイドルですよ…怪我でもさせたら…
佐「Aちゃん、免許何色ー？」
A「一応ゴールドですけど…」
佐「お！すごい！」
岩「マニュアル？オートマ？」
A「マニュアルです…」
岩「えっ、すげ、珍しいですね、女性でマニュアル」
A「家が農家なのでマニュアル運転できないといけなくて…軽トラ運転できないんで」
佐「軽トラ運転できるなら大丈夫！後ろの長さは同じくらいっしょ」
A「いや、違うでしょ…」
絶対違うわ…なんなんその謎の肯定…
軽トラは後ろはあっても前はないし、幅もない。何より、軽トラは、軽自動車だ。2人乗りの。全然違う。
岩「ま、けどほんと、大丈夫ですよ。ちゃんと手伝うから」
佐「そう！後ろは俺に任せて！」
岩「俺は助手席で、左みてるから」
佐「だから、安心しなさーいっ」
佐久間さんに頭をぽんぽんされる。やめんか、縮む。
A「！？！？」
岩「あ…すみません」
たぶん、岩本さんもなでてくれようとしたんだろう。
だけど、上から手が降ってきて…わたしの顔の大きさくらいある…手が…
別にトラウマとかないけど、さすがにびっくりした
佐「あ、こら、ひかるー？急にはだめでしょー？」
岩「ん…また驚かせましたね…すみません」
A「あっいえ…びっくりしただけで、こちらこそごめんなさい」
岩「いえ。あ、この扉が駐車場です」
紳士にドアを開けてくれた岩本さん。目の前にはたくさんの送迎車…と呼ばれる車たち。
佐「今日の車はどの子かにゃー？」
キーのボタンを押しながら佐久間さんが歩く。その後ろを、私たちがついていく。
岩本さんの隣を歩くわけだけど…大きいなぁ…身長10センチくらいくれないかな。
岩「…俺の顔になんかついてます？」
A「えっ！？」
岩「いや…なんかすげぇ視線感じたんで」
A「あっあっ、すみません…」
気づかない間に見てしまっていてらしい。あぶないあぶない、気を付けなきゃ。
佐「あったよー！ひかるー！Aちゃーん！」
A「はーい！ありがとうございまーす！」
車をみつけてしまった…はーーーー…不安しかない
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作者名：まめ
| 作成日時：2022年10月22日 14時
