目黒side ページ16
1本目のYouTube撮影が終わった。
Aさんの初仕事だった撮影は、俺らにとってもAさんとの初絡みなわけで。緊張…はしないけど、お互いやっぱり様子を伺ってる感じはあった。
Aさんから見れば、俺もでかい人間の一人なわけで。正直、ラウールの悩みは俺の悩みでもあったから。
間接的にだけど、解決できたのは俺も嬉しかったんで。
向「なななな、このケーキ余ってるやん？休憩時間にさ、Aちゃんの歓迎会せぇへん？」
そんな康二の提案にも、二つ返事でのっかった。
本当はどっかお店借りてやりたいんだけど、なにせ相手は女性。俺らはいまけっこう大切な時期なわけで。スキャンダルはなるべく避けたい…ってこと考えるとそれは難しい。
けどなにもしないのもな…っていうのは、全員の共通認識だったみたいで、話はトントン拍子に進んでいった。
役割分担もきっちり。俺らのチームワークというか、すげぇとおもう。
樺「よしお疲れ様ー。２本目は30分後なー。食べたいケーキあったら部屋に持ってって食べていいぞー」
佐「マジィ！？」
向「えー！俺そしたらこれ食べてみたい！！」
毎度のこの流れは、想定内。
岩本くんが樺さんに歓迎会をやりたいって話に行ってくれて。佐久間くんはAさんが仕事を始めないように話しかけに行く。
始めちゃった仕事を中断させるのは可哀想だから。
佐「Aちゃんは？何が好き？食べたいのある？」
A「えっ！？いや…わたしは仕事中ですから…」
目「早くとらないと、男ばっかだからとられますよ」
ラ「しょっぴーとか特にね 笑」
渡「はぁ？なんか言ったか」
ラ「なにも言ってないでーす」
深「ほら、Aちゃん、どれにする？」
A「あっ…えと…じゃあ、あんみつ…」
岩「あんみつ？はい。うまかったよ、これ」
あんみつ好きなんだ…こんなにケーキがあるのに、あんみつ…ケーキじゃないんだ…あんみつ…
樺「よーしそしたら部屋でまっとけー！」
佐「はーい！！Aちゃん、いこっ！」
A「えっ、けどわたしも樺さんと仕事しないと」
阿「樺さーん！楠さん借りますー！」
樺「はいよー！」
阿「いいって。ほら、いきましょ」
こういうときだけ、俺らの身長使わせて。
阿部ちゃんと俺、ラウールでAさんの背後をとって。後ろから待機用の部屋に追い立てていく。
部屋にはもう、歓迎会の準備がされてるはず。
Aさん、喜んでくれるといいけど。
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作者名：まめ
| 作成日時：2022年10月22日 14時
