その先へ～I'd like to approach～ (ページ26)

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“そんな事”ではないお礼ページ26

『会社でも“櫻井さん”って呼んで欲しいな』

「え、でも…」

『でもは、ナシ。お礼してくれるんでしょ？二宮だって、“さん”付けだし大丈夫だよ』

「いやあの…では、これからは“さん”付けで…でも、これだけじゃ全然お礼にならないです…」

そう、こんなのお礼じゃない
ネクタイとか何か物をあげた方がいいのかな…

「今度何かプレゼントさせて＿＿」

『じゃぁさ、今度手料理ご馳走してよ。俺の家で。物よりそっちがいいな～ほら手料理に飢えてるからさ(笑)』

これまた…誰得ならぬ、私得なお願いで…

「そんな事でいいんですか？」

『独身男性にとっては、そんな事じゃないよ。特に俺は料理が全然出来ないからね』

「じゃぁ、今度またお邪魔させてもらいますね。引き止めてしまって、すみませんでした。運転気をつけてくださいね」

『うん。じゃぁ、また月曜日に』

「はい、本当にありがとうござました」

車が角を曲がるまで見送ってから
部屋に戻った

櫻井さんへのお礼は決まったとして…
二宮と天音先輩へのお礼は何にしよう

二宮は…Sea Fishing Jizo に連れて行けばいいか
天音先輩はランチご馳走でいいかな？デザート付きで

さてと…ゆっくりお風呂にでも入って
先輩から借りてた服を洗濯しよう

月曜日＿＿＿

「天音先輩、おはようございます。あの…これ、ありがとうございました。そして、お礼っていったらあれなんですけど…今日のランチご一緒しませんか？ご馳走させて下さい」

〔あぁ！いつでも良かったのに～。ランチいいの？じゃぁ、お言葉に甘えようかな〕

「じゃぁ、またお昼に声かけますね！」

「咲坂、おはよー。」

「二宮、おはよ。金曜日はありがとね。それでさお礼として…ご馳走しますので、週末おーちゃんの所行かない？」

「お、マジで？俺、何もしてないけど」

二宮は素直じゃないな(笑)
けど、あとは櫻井さんへのお礼だけか…

二人にお礼の事を伝えていると

[咲坂、金曜日の打ち合わせの件を報告してもらいたいんだが…こっちにいいか？]

って加賀谷次長から呼ばれた

ミーティングの後でって思ってたのに…
しかも、いつもはテーブルでするのに
なんで、わざわざ小会議室で？

「わかりました…」

とりあえず、打ち合わせの報告は仕事だから、しっかりしなきゃな

資料をもって加賀谷次長の後ろを着いていった