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「ち、違う。
そうじゃない、そうじゃなくて、」
けど、Aはそれに気付いてる様子やない。
しょーちゃんやって思ってるぽい。
俺が知ってるって夢にも思ってへんのやろーな。
だから、Aが違ゃうって言うても俺の気持ちは乱れたままや。
「俺は、聴かせてもろうてへん。
あの日、あの屋上で初対面って言うてもいいぐらいの関係やったしょーちゃんには聴かせたんやろ」
「・・それは、」
「あの楽譜の曲やったんやろ。
俺が見せてって頼んだ曲、しょーちゃんには聴かせたやろ」
今はあかん。
言うたらあかん。
A責めてもしょうがないやろ。
今は、俺の感情より大切な事あるやん。
そうわかってるのにこの口が止まらへん。
何でやろーな、昔からそーやねん。
1つそう思ったら突っ走ってまう。
周り見えへんし、止められても聞かへん。
頑固って事なんやろーけど・・
ごめんな、A。
俺、ほんまガキや・・・
「亮、聞いて」
俺から聞いたのにその答えをちゃんと知る決意なんてしてねぇ。
知る覚悟ゼロの俺は、首を横に振るしかない。
「お願い。
私の話を聞いて」
「イヤや。
聞きとうない」
「章君に聴いてもらったのはたまたま、ううん。
タイミングが良かったのかも亮が見たあの時の楽譜は、まだ未完成だったから。
それに、章君の雰囲気がそうさせたってのもあると思う」
しょーちゃんの雰囲気。
言うてる意味わかるで。
わかる。
わかる、けどな
あかんわ。
全然、納得出来へん。
だってな、だって・・
アイツには、あの男は聴いてるんやろ。
お前の曲、全てアイツのモンなんやろ・・?
「ほな、聴かせて。
完成してるやろ」
しょーちゃんには、悔しいって気持ち。
そして、あの男への苛立ち。
もう、めちゃくちゃや。
躊躇するAにもイラつく。
「ほら、やっぱ俺はあかんやん!
しょーちゃんはええんやろ!」
あかん止まらへん。
心の何処かで思ってた考えまで出た。
「しょーちゃんの事、好きなん?」
って。
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作者名:☆ねこじゃらし☆ | 作成日時:2020年4月19日 7時