第9 現実はすぐそこに ページ2
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ちゃんとAと話さなきゃなんねぇ。
コーキと話した後
俺は真っ直ぐAの部屋へ向かったんやけどなかなか応答が無く、やっと出たかと思うたら何故か愚図るA。
強気で「出来れば今」と伝えれば、部屋に上がれと促された。
俺と同じ間取りの部屋。
内装は、シンプルでモダン。
Aの趣味か？と見渡せば、棚の上に鎮座してる自由の女神像。
ふふっ。
コーキの顔が浮かんで思わず笑みが出た。
あの時の事を思い出し、身体から力が抜けた。
しょーちゃんから俺がコーヒー飲めへん事聞いてて、お茶淹れてくれようとしてくれてるA。
些細な会話にさえ集中出来へんぐらい緊張してた。
・・ん？何やあれ。
ローテーブルの上に白いコーヒーカップが1つ。
どう見ても客用ぽい。
それに茶袋。
これって・・・
「誰か来てたん？
この封筒何？」
普通な疑問やった。
どこにでもある普通の茶袋やで。
けど、それに激しく反応したAは
「触らないで！」と声を荒あげたんや。
そんでそれを片付けた先が
「何で冷蔵庫に入れてん」
「・・・腐るといけないから」
「ふーん、食い物やったんや」
「まぁ、うん、似たような物」
なわけねーだろう。
どう見ても昼ドラとか22時過ぎのドラマとか
メロドラに出てくるパターンの茶袋やん！
封筒の大きさも厚みもそれ以外ねーだろ。
なにより、動揺してるAの様子で丸わかりや！
けど、ここで
奥さん来たん？って聞いてもAは答えてくれへんし、絶対認めへん。
つーか、心閉ざして何1つ話してくれへんやろ。
それじゃ、あかんねん。
ちゃんと聞きたくて
Aをアイツから離すために俺は来たんやから。
そう思ってても肝心なAは
この話題から逃れてぇのか用件を聞いてくる。
俺も早よう聞きたいし、話したい。
けど、来て早々話を切り出す勇気は無い。
それにこの空気、多分Aの心閉ざしてまう。
とりあえず、持って来たコーキの土産 エップェル塔を渡すとホッコリとした空気が流れた。
この空気なら聞けるか？
この空気なら話してくれるか？
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作者名：☆ねこじゃらし☆ | 作成日時：2020年4月19日 7時
