妖物語〈ars KJ∞〉－３－ (ページ23)

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和也・過去・ページ23

～10年前～

僕はいつものように部屋で一人自分の力で遊んでた

ガラッ

和人「ただいまー」

和「え・・・」

和人「なんだよ？もっと喜べよ、久しぶりに帰ってきたのに」

和「いやいや、帰るなんて聞いてないし」

和人「あっ、忘れてた♪」

和「・・・って誰です？」

俺はお父さんの後ろで隠れてる男の子を見た

俺が見たら更に隠れちゃった

あれは、人見知りだな

和人「錦戸亮くん、お前と同じような力を持ってるんだよ」

へぇー、同じ力・・・

和人「ぢゃあ、俺もう行くからー！」

そう言ってまた旅に出たお父さん

ちょっとこの子どうすんの！

和「・・・」

亮「・・・」

和「・・・遊ぶ？」

亮くんは無言で首をふった

なら、いいやほっとこ←

僕はいつもの一人遊びを始めた

お、今日は雷がいい感じだなぁ

しばらくすると・・・

亮「・・・いつもそんなことしてるん？」

和「楽しいよ？やってみれば？」

亮「遠慮するわ・・・」

ん？なんか不機嫌になった？

和「どうして？自分の力使わないの？」

亮「俺ら普通やないんやで？こんな力・・・持ちたくなかったわ」

とても辛そうな顔でそう言った

あぁ、そうゆうことか

和「普通ってなに？」

亮「えっ？」

和「僕は人に普通なんてないと思うよ？皆それぞれ違うんだから」

亮「やけど、こんな力誰ももってへんやん」

和「それが亮の個性でしょ？」

亮「個性？」

和「人は皆個性があるでしょ？亮の場合はその力が個性ぢゃん」

亮「違う個性がよかったわ、それなら回りの奴等にバカにされずにすんだ・・・」

和「それはきっと悔しかったんだよ」

亮はなに言ってるんだこいつって顔で僕を見てる

和「自分にはない特別な個性がある亮に嫉妬したんだ。だって、レアだよ？こんな力」

亮「・・・」

和「悩むくらいなら、俺はカッコいい！とか思ってたほうがいいと思うけど？」

亮は黙ったまま

そりゃ、亮は今までどんなに辛かったかなんて知らないし、わからない

でも、今言ったことは全部本音

僕だってこの力を持ったのが僕でよかったって思ってる

まっ、亮には伝わらなかったのかな・・・

亮「・・・やな」

和「え？」

亮「せやな！俺レアやんな！カッコいいやんな！」

あまりにも突然のことで言葉が出ない

亮「ありがとな、和也！」

ニコニコ笑う亮

僕の思いは伝わったみたい

和「どういたしまして♪」