妖物語〈ars KJ∞〉－３－ (ページ15)

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信五・過去・ページ15

～10年前～

何でなん？

何で俺がこんな思いせんといかんの？

おとんとおかんが出ていった

手紙一枚残して

“ごめんなさい”

謝るくらいなら捨てんといてや

最後まで一生におってや

悲しみが込み上げてるく

信「うわぁぁぁぁぁ！」

俺の家は俺の力によって吹っ飛んだ

跡形もなく・・・

改めて普通と違う自分の力に恐怖が芽生えた

俺はその場から走り出した

走って走って走りまくった

信「はぁ、はぁ・・・」

ここは赤月森？

真っ暗や・・・

そして、怪しく光２つの点

まさか・・・

妖「へへへ・・・人間じゃねぇか」

ヤバい・・・

妖怪や！

俺は死ぬん？

やけど、これで楽になるなら

妖怪が俺に向かって走ってくる

覚悟を決めた

バキッ

静かな森に鈍い音が響いた

やけど、どこも痛くない

恐る恐る目を開いた

信「うわぁ・・・」

一人のおっちゃんが雑草の妖怪と戦っとる

しかも、風を操って

まるで体の一部のように・・・

おっちゃん何者？

信「かっこええ・・・」

妖怪を倒しておっちゃんが俺に向かってあるいてきた

？「大丈夫か？」

信「・・・」

？「さっき、家吹っ飛ばしただろ？」

信「！！」

？「何があった？」

話すつもりなんてなかった

やけどこの人ならって何故か思った

やから、俺は全部話した

そしたら・・・

？「そっかぁ・・・お前強くなりたい？」

信「え？」

？「俺の息子のサポートしてくれないか？」

信「サポート？」

？「俺の息子もお前と同じような力もってんだ」

信「やけど・・・」

？「強くなって見返そうぜ。お前のことバカにした奴も、親も」

強く・・・なる・・・

？「お前なら出来る」

ほんまに？

信じてもええの？

俺生きててええの？

信「おっちゃん何者や？」

潤吉「松本潤吉」

俺この人なら信じてもええかも

絶対強くなる

もう誰も俺をバカにはさせん

前も向いて生きてやる

このあと俺は潤と出会い

仲間というものを初めて知った