妖物語〈ars KJ∞〉－３－ (ページ13)

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裕・過去・ページ13

～10年前～

父「お前なんか出てけ！！！」

裕「おとん！！」

父「そんな気味が悪い子供おらんわ！」

昨日おかんが死にました

理由は病気

やけど、おかんは俺のせいで薬を買うことができんかった

俺が・・・

普通とちゃうから

それでおとんは悲しみや怒りで俺を追い出した

裕「あれ？・・・ここどこや？」

気がつくと知らん場所にきとった

ここって、赤月森！？

妖怪いっぱい居るやん！！

・・・・・・

やけど、死ねるかな？

そうすれば楽やんな？

そんなことを考えとると・・・

？「だあれ？」

見るとちっさい女の子が居った

かわええなぁ

ってか何でこんなとこに？

裕「裕、お前は？」

A「A！」

裕「何でこんなとこに居るん？妖怪いっぱい居るんやで？」

A「大丈夫だよ？どうせ勝てるもん♪」

は？

この子どうしたん？

勝てるわけないやろ

ガサッ

A「！危ない！！！」

間一髪逃げきった俺

妖怪・・・

狂ったようにAに襲いかかった

裕「A！」

A「・・・」

バキッ

鈍い音

こいつ、何もんや？

ほんまに倒しよった

それに、狐の耳に九本の尻尾

？「A！！」

A「お父さん！！」

九「人間に九尾の姿は見せちゃダメだっていっだろ！？」

A「あっ・・・」

九尾・・・？

そいつが俺を見た

九「！・・・君、闇と鎖の力をもってるね？」

裕「・・・何で？」

九「においでわかった」

裕「・・・」

九「家は？」

裕「ない」

九「親は？」

裕「・・・おらん」

なんやねんこいつ

ムカつく

妖怪のくせに幸せそうにしおって

九「俺らと来るか？」

裕「はぁ？」

九「条件があるけどな」

裕「？」

九「この子を守ってほしい」

そう言ってAを俺の前に出した

いやいや、こいつ強いやん

裕「俺より強いし、十分やろ」

九「今はな・・・でも、そうもいかなくなるんだよ」

裕「・・・」

九「君はきっとその力のせいで辛いことがあったんだろ？」

何でわかるねん・・・

九「俺らはそんな思いさせない・・・その辛いこと、全部取り除いてやる」

その言葉は俺の心を動かすには十分過ぎる言葉やった

今まで耐えてきた涙が溢れる

九尾に抱き締められた

九「よく頑張ったな・・・」

俺決めた・・・

一生この人についていく

これが俺とAちゃんの出会い