42話 叶side ページ6
叶「で、そのまま首まで怪我させて、Aは貧血で気絶したと」
葛「っス…」
ベッドに横たわる青白い顔のAと、その隣に座る気まずそうな吸血鬼。
たまたま会ったさえが健屋先生はどこにいるのかって慌てた感じで聞いてきたから、もしかしてと思って救護室に駆けつけたら
顔面蒼白の気失ったAと、Aの首に噛みついてるバカ吸血鬼がいたから殴っちゃった…よね。勢い余って。
葛「まだ頭痛えんだけど…」
僕に殴られた後頭部をさすりながら、葛葉がこちらを恨めしそうに睨む。
叶「それはごめんって」
でもそうしなきゃあれは止められなかったよ、バーサーカー一歩手前みたいな吸血鬼に話なんて通じないもん。
…まあ自分でも分かってるんだろうし、わざわざ言わないけどさ。
葛葉が吸血鬼なことは周りにもよく知られているけど、血が足りない時の症状や他の人間への被害はあまり知られていない。そりゃ何度もあっちゃ困ることだし。
普段は緊急用の血液パックがあるし、もしこういうことが起きても途中で正気に戻って葛葉自身ですぐ止められるから、そんな状態には滅多にならないはずなんだけどな。
叶「はい」
作った氷袋を葛葉に持っていくと、ベッドのそばのイスに腰掛ける猫背な彼は、未だ目が開かれないAの顔をじっと見つめていた。
こちらを向かない彼の後頭部に袋を押し付けると、そのまま受け取られる。
叶「…普段から絶好調じゃないんだから、あんな無理しないでよ。いつA落とすかってハラハラした」
話を聞いてるのか聞いてないのか分からないそいつに、心配のまじった説教を吐くと、意外にもすぐに言葉が返された。
葛「…落とさないようにってしてたら2ヶ月分くらいの魔力使ってたわ。
さっきので回復したけど」
少し前の大人しい態度は一変し、こちらを煽るようにケラケラと笑う葛葉。
…ああ、やっぱり、僕の本音なんかお前には全部お見通しなのかな。
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あ - 前編から来ました!!!ずはと夢主の関係だいすきです!更新頑張ってください🔥💪🏻 (1月4日 14時) (レス) id: 001f6adea4 (このIDを非表示/違反報告)
Ohata(プロフ) - はいてぇてぇ(真逆の葛葉さん人外設定!!きゅんです!!!!) (12月31日 17時) (レス) @page2 id: 6c4593a5ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:禁煙 | 作成日時:2023年11月8日 18時