ギャルはかるいとか思わんで【2j3j】

39話 ページ3

ねえ待ってちょい待って意味わからん、え、なに、







『ね、くずは、！』







虚ろな目をした彼の肩を押し、どくように促すが、こんなヒョロガリな体なのにピクリとも動かず。








えなんかまずくね？？？今どういう状況？？？






整理してみるか、一旦。





えーと…くずはが競技おわったあと倒れて、運ばれて、あとから救護室行ったらベッドで苦しんでて、水渡したら引っ張られて…今。








あは全然わかんねえうける…

てか近いな！？！？！？！？！？！







冷静になって今の状況を考えると、好きぴと急接近ドキドキ…♡なんてふざけたことぬかせねえくらいには近い。

ドキドキっつーか心臓吐きそうむり吐いた








葛「…」




『っわ、』






1人脳内で騒いでるとさっきから掴まれたままの腕を、グイ、と上に引っ張られる。







なっ、ななななななにー！？

A、これからどーなっちゃうのー！？







自分ではもうどうしようもできないこの状況を逆に楽しもうと決心し、ヒロインになりきってた脳内に突然、ビリッと鋭い感覚が切り込んでくる。








『い"っ、』







手首に葛葉の長い爪が刺さって、







血を、流していた。







『っはぁ…？？』







突然のことに頭が追いつかず、手首の痛みだけが脈打つようにズキズキと感じられる。






『〜ッ、』





痛みに視界がぼやけてくる。どうにか止めさせようと、祈るようにもう一回名前を呼ぶと彼と目が合った、気がした。






『く、ず、！』

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