DOSON (ページ44)

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大歓声と拍手に包まれた達成感の中、暗転を待つ時間がやけに長く感じられた

やっと明かりが消えたと思った瞬間、真ん中で片膝をつくポーズを取っていたAの身体が崩れる

mk「A！？」

hc「えっ、え……」

慌てふためくみんなに先に戻って衣装とヘアメイクを済ませるように伝えて、僕は1人残ってAの背中を擦る

ty「A、」

『…っは、ごめん、支えてくれたら助かる、』

ty「謝んないでよ、よく頑張ったな」

力が入らないらしいAを背中に乗せてステージ裏に戻る

みんなが話してくれていたのかすぐにスタッフさん達が酸素吸入器や水や冷えピタを持ってきて手当してくれる

ぐったりとして辛そうに息をするAを見て苦しくなった

そもそも毎回僕たちのコンサートはAにとって大変なもので、ステージ上ではそれを見せないようにしていた

それに加えてコンディションが悪い今日は特にしんどいはず

だからこそ、僕が言わないといけない

　

ty「A今日はここまでにしよう、もう十分頑張ったよ」

『…だめ、最後まで、』

ty「だめだ、もう身体が限界迎えてるよ」

『ううん、あと7分はあるなら、』

ty「このままだと本当に倒れる、心配なんだよ」

『…すごいわがままなの分かってるけど、絶対に表では倒れないし明日も最後まで頑張るって約束するから、アンコールまで出させてほしい』

『終わってから迷惑かけるかもしれないけど、ステージ上では迷惑かけないって誓うから、』

基本的に会社の人達やマネヒョン、リーダーの僕の大事な話はちゃんと聞いて従うAだけど、こうやって自分の主張を通そうとすることは中々無い

隣で聞いていたマネヒョンもAの言葉に頷いていた

ty「…分かった、でも頼むから本当に死なないで」

『ふは、私意外と弱くないよ、…』

ty「んじゃあヘアメイク直してもらいなね」

『ん、オッパもね、』

結局Aはアンコールも最後までしっかりやり遂げて終演後に病院で点滴を打ってもらい、翌日も完走したのだった

　

『今日上がったビハインドに弱ってる私取り上げられてたの…シズニが心配してる…』

ty「もう無理しちゃだめっていうスタッフさんからのメッセージだよ」

『申し訳ありません…』

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