DOSON (ページ34)

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練習生の頃から割と仲良くしていたほうだと思う

Aと同じ日本人練習生だったユウタヒョンには及ばないにしても、たくさん可愛がってきたしAの頼れる相手という立ち位置を築いてきたつもりだ

今でもAは自分に懐いてくれていると思うし、必要とされているとも感じる

でも、天使のような容姿とお人好しの性格、無邪気で可愛いこの子を自分の手元に置いておくのは難しい

分かりやすくたくさんの人達から愛情を受けて、その愛情にいちいち誠実に応えていくAは誰からも引っ張りだこで、さらにみんなを夢中にさせる

ご飯の予定、出かける予定、電話の予定、常に通知が溜まっているスマホ

ただでさえスケジュールが詰まっている僕らの仕事の合間にAはそれをこなしていく

もちろん誘えば遊びの予定だってご飯の予定だって立ててくれる

ても同い年のコンゴンズと遊んでいる方が楽しそうに見えたり、Aから誘ってくれることも減ったような気がしたり、

淋しいな、なんて思っていると大体タイミング良く電話がかかってくる

例えばAだけの海外のスケジュールで「寂しくてドヨンイオッパが思い浮かんだ」なんて理由の電話で夜な夜な話をしたり、

悩みを抱えて電話をかけてくることもある

僕たちは違う階に住んでいるから、そういうときは何時でも迷わず10階に向かって抱き締めて話を聞いてあげるのだった

Aが楽しい時間を他の人と過ごすのを僕は静かに見守って、代わりに僕はより深刻で重要なときに求められるから、それはそれで必要とされている気がして、

どんなに寂しく苦しく感じても電話1本、メッセージ1つで駆けつけてしまうし、どんな痛みも消える

あの曲と違うのは、Aが都合の良い行動をしているわけではないということ

きちんと周りの人達の好意に応えて、そして大切なときに僕を頼ってくれているのを知っているから

　

それでも僕はAに感情を揺さぶられているのだった

この感情には名前をつけてはいけない気がして見て見ぬふりをしてきたつもりだったんだけど

　

だから苦しい気持ちを乗せて歌うこの歌は、どうしてもAに向いてしまう

今はこの曲中に目で追って手を伸ばしてしまう僕にAが気づきませんように、

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