ANY & EVERY＊sakkun＊

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「いただきます。」



「「いっただきまーす」」




元気なヲタク２人と、ともに朝食を。




卵かけご飯とお味噌汁。





そんな簡単メニューなのに、満足そうに頬張る２人。




………そんな弟たちが、カワイイ。




モグモグ口を動かす、さっくんを見れば



やっぱり弾む胸。




……違う。



さっくんは、私のこと、ずっと暖の姉ちゃんとしてしか見てないよ。




昨日の、あれは



きっと、ただの事故で、私の勘違い。




さっきの、"話したいこと"、ってのは




………きっと、"昨日は、驚かせてゴメン。"だ。





「……はぁ。」



思わず出た私のため息。




「ん？なに、姉ちゃん。」




「……え？」




「ため息ー。

幸せ逃げたよ？」




「あ、最悪。」




「スゥ！」息を吸ったさっくん。




「ん？」




「俺が吸っといてあげたから！」




ニパッと、親指を立てた彼に、



また、私の鼓動は跳ねる。





「……幸せの、横取り。」




「ぬぁ！違うじゃん！そうじゃないじゃん！」




「あ、もう、私、時間だから行かないと。」




立ち上がって、お茶碗を片付けて




逃げるように、部屋に戻った。





……『俺が吸っといてあげたから』




待って？



もう、昨日の、あれのせいで、



全部を良い方へ考えたくなってる。





そんなはずないのに…





元々、恋愛には随分と奥手な私。




例え、好きな人が出来ても



私なんかが………の、思考の人間だ。





……今回に至っては、



私なんかが、の上に




彼に限って、が上乗せされる。





さっくんと出逢って、３年。



彼にとって"暖の姉ちゃん"、を始めて、３年。




彼に片想いを始めて、たぶん１年と少し。





この関係は、そう簡単には変わらない。




変わるはずがない。





「……はぁ。仕事、行こ。」




ガチャ、と扉を開ければ




「！！」



「あ」



目の前に、さっくんが立ってた。




「え！？なに？！」




「あ、俺ももう、行こうと思って…」




「あ、あぁ。

ん。じゃあね！」




「え、下まで一緒に行こうよ。」




「え？」



「もう、行くんでしょ？」




カバンを手に、明らかに出掛けます、候う。





「じゃあね、暖！

また、来んねー」



「んー、じゃねー！

姉ちゃんもいってらっしゃーい！」




暖に見送られて、結局 さっくんと２人で玄関を出た。

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