ANY & EVERY＊sakkun＊

25＊sakkun＊ ページ25

で、あの日。




「たっだいまぁー！」




「あは、笑

おかえり、さっくん。」




「んふふ、笑

Aちゃんの、"おかえり"

今日も、最っ高！」




「それは、どうもー。

あ、暖、もうすぐ帰ってくるよー」




……いつも通りの俺たち。





……でも、実は、いつも通りじゃなかった、俺ん中。





……………





Aちゃんの隠れて飲んでたビールを、



１口、拝借。




なんてことない顔して、拝借。




ほんとは、ドキドキしてた。



だって、間接キス、じゃん？




俺が、"特別"。



そんな言葉を暖に貰ったせいで



完全に、先に進みたくなってた、こん時の俺。





恥ずかしそうな顔をして




「お、弟、とのこれは、間接キスに入りません。」って。




意識してるじゃんって、もう確信しかなくて。






暖とサウナ行った帰り。




じゃんけんで勝った暖に、ビールの買い出しを任せて、預かった鍵で中に入れば



ソファで、バタバタしてるAちゃんを発見。





「にゃは、笑

何してんの？笑」



顔を上げた、彼女の顔は、真っ赤で。




サンドウィッチマンさんで、誤魔化そうとしてきたから、誤魔化されてあげた。





………ここまでは、よかった。




俺も、冷静に距離を詰めてられてた。




でも………





ビールの奪い合いで、意図せず



彼女に馬乗り状態の俺。




真っ赤な顔して、目を反らすAちゃんに



キュン、がすごくて……





「……こっち、見てよ。」



顎をくいっとこっちに向ければ




ウルウルした、彼女の瞳に捉えられたら



もう、俺の心までも、捕らえられて。





……あぁ、ダメだ……




……もう、好きが、止まんない。



抱きしめたい。




ちゅぅしたい。




理性の糸が、切れる寸前。




バクバクと、どんどん大きくなる俺の心臓の音。




でも、もうそんなの構ってらんなくて……




顔を近付けていけば……




Aちゃんに、こう言われた。





「そ、そういうこと、したいなら

もっと、後腐れなさそうな……」




……いや、まて。




思わず口を塞いだ。

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