ANY & EVERY＊sakkun＊

14＊sakkun＊ ページ14

「でもね、姉ちゃんには、ちゃんと幸せになってほしいんだ。」




「うん。」




「……で、さっくんとね、姉ちゃん、たぶんめっちゃ相性良いと思うんだよね。

ってか、思ってたんだよね。」




「ぉん？まじ？」




「たぶん、さっくん、姉ちゃんのこと、好きになるなって、なんとなく思ってたし。」



……おい、マジか。





「さっくんになら、姉ちゃんのこと、任せられるし！」




「……ずいぶんと、上からねぇ……笑」




「だからさ、嬉しいんだよね。

さっくんが、姉ちゃんのこと、好きになってくれて。」




「………ってか、ちょっと待って？」




「ん？」




「俺って、もしかして、暖の手の中で転がされてた？」




コロコロ転がってね？




「うん。転がしてた。笑」



手のひらをヒラヒラ。




「ぉおい！」


その手のひらを、ぺちん。




「たぶん見てて分かると思うんだけど、

姉ちゃんさ、ヒトの気持ち汲み取るの、上手いのにさ、

自分に関しては全くだから。


自分のキモチにも、自分に向けられてるキモチにも、気付けないのよ。」




「……うん。」




「だから、マジで、押して押して押し倒すくらいじゃないと気付いてもくれないと思うから！」




「お、お、お、押し倒すとかいうんじゃないよ！」




「あ、ほんとに押し倒しちゃダメだよ？

いくら さっくんでも、付き合わないうちには絶対にダメだから。」




「なに言ってんだ！全く！」




赤面よ、


あぁ、顔、あっつー。





「とにかく、分かりやすいくらいアピって！」




"頑張って！"とガッツポーズをされました。





こうして、俺の"恋"を


実の弟が、応援してくれることになったの、だが……




…………



……………



「さっくん、なぁに？」




「ん？」




「暖とアニメ観てたらいいじゃん。」




「んや、洗い物、手伝うし。」



「ありがとね。でもほんと大丈夫だよ？」




なにか、役に立ちたい、そして、ただ、傍にいたい



そんな理由で、料理も、洗い物も、なにか、している彼女の傍にいるようになった。




暖が、こっそり笑ってくるけど



気にしてたら終わりだ。



無視して、ひたすらAちゃんの後ろを付いて回った。




でも、撃沈中。



ちっとも俺を男と見てくれない。





さすが、弟。



姉のこと、よくわかってる。

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