6 ページ7
あれから、1ヶ月弱。
ずーっと持ち歩いてるあの傘だけど、
あれ以来、1度も使ったことはない。
でも、雨が降る日だって、絶対にあるわけで。
そんな日には
赤い傘と、ビニール傘を持っていた。
「おい、その傘、結局なに用なの？
護身用？笑」
「え？」
レッスン室で、原にめちゃくちゃ笑われた。
「いっそのこと、三本目を口に咥えろ。
んで、ゾロになれ、ゾロに！」
「あはは 笑
なにそれ 笑
ヤバッ！！」
「いや、お前の方が遥かにヤバいけどな！！」
ヤバいと は 少しも思ってなかった。
ただ、俺はあのヒトに、この傘を返す為だけに持ち歩いているんだから。
明確な理由が俺の中ではあったから。
……………
んで、更に1ヶ月。
「あ」
ついに訪れた、その傘を返すタイミング。
学校、舞台の仕事、その後のレッスン
結構クタクタで、立ちよったコンビニ。
夜食のおにぎりを手に取って、水を取りに行こうとした時だった。
ビールに手を伸ばしているあのヒトを見つけたの は 。
途端に高鳴った心臓。
「あの！」
すぐに声をかければ、
振り返ったお姉さんが、
「あ！」と目を丸くした。
「これ、ありがとうございました。」
そんで、俺が差し出した赤い傘を見て、もっと目を丸くした。
「え！？まだ持っててくれてたの？！
っていうか、……え、なんで、持ってるの？
雨じゃないけど……」
俺へ視線を寄越してから、コンビニ外へ視線を送った彼女。
「あ、いつ会えるかわからなかったから……
いつも持ってた。」
「えぇ！？変な子！」
ハッキリ言われた。
"変な子"って。笑
「ぶはっ、笑」
でも笑っちゃった俺ってやっぱり"変な子"なのかも。
「ありがとね。なんか、逆にごめんね？
変な目で見られてたんじゃない？」
「ん？んーん。
みんなもう慣れてるから。」
「そっか、そうなんだ？笑」
俺の"変"を普通に受け入れて、笑ったお姉さん。
「はい。」と手渡した赤い傘。
もう、俺のトレードマーク化していたから
なんか、手元になくなったのが、
すごく違和感だけど、
彼女が持つと、すごく自然な赤だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 633人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
HANA*(プロフ) - こじまるさん» めめちゃん、淡々と落ち着いてるイメージありますよね😆この先どうなるのか、お楽しみに🖤😆 (2月24日 10時) (
レス) id: 081984e997 (このIDを非表示/違反報告)
こじまる(プロフ) - 淡々と落ち着いて主ちゃんに接するめめが私の知っているアイドルのめめで本当にこんなに苦しい思いをしているんじゃないかと錯覚してしまいます😭めめも主ちゃんも幸せになってー💓‼️ (2月23日 18時) (レス) @page48 id: 3bad9f733c (このIDを非表示/違反報告)
HANA*(プロフ) - こじまるさん» 切ないめめちゃん…過去編から現在編へー🖤どうなる、めめちゃん😭お楽しみに🖤 (2月22日 6時) (レス) id: 081984e997 (このIDを非表示/違反報告)
こじまる(プロフ) - そうか…まだ好きなのか…😢めめも切ないなぁ😭奪ってしまえっ(笑)！！ (2月21日 13時) (レス) @page32 id: 3bad9f733c (このIDを非表示/違反報告)
HANA*(プロフ) - こじまるさん» お忙しいとこ、遊びに来てくださってありがとうございます🖤😆息抜きによかったら楽しんでくださいませませ🖤🖤 (2月18日 21時) (レス) id: 081984e997 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HANA*
| 作成日時：2024年2月16日 9時
