break time .

#41 （福士蒼汰） ページ43

.






屋台が連なっている道を横に並んで歩く。


お面を付けてるから変な人たちって思われそうだなあ。(笑)







『……あ、』



「ん？」



『ううんっ、ごめんなんでもない』



「なに？どうしたの？」



『あー……ほら、』





私は射的の屋台を指す。






『小さい頃、あのおもちゃの指輪がいつか欲しいなあって思ってたことも思い出しただけだよ』



「指輪？」



『そう、ほらあれ。おもちゃなんだけど、子供ながらにすごく輝いて見えてさ。絶対いつか取ってやるなんて思ったりしてさ(笑)』



「…………」




『まあ、昔の話なんだけどね。

……あ、あっちにイカ焼きあるよ行こ？』



「……」



『蒼汰？』






行こ、と促してもどこか１点だけを見つめてその場を動かない彼。


しばらくすると、意識が戻ったかのように
また歩き始めた。


でもどこか上の空だった。








.









.








『ふうっ、』



トイレに行き、浴衣を少しだけ整え、
先ほど分かれた場所に戻ると、もう既に彼はいた。


お面つけてるとやっぱりわかりやすいなあ。(笑)






『ごめんね、待たせちゃって』



「んーん、大丈夫だよ」



『…ん、じゃあそろそろ花火見よっか？』









.









私たちは少しだけ歩いて
防波堤の所で見ることにした。


静かな空間だけれど、大きな建物がそこにはないので花火を見るには最適だった。


周りに誰もいないため、お面を外す。






『ん〜、楽しかったなあっ』



「いっぱい食べたな(笑)」



『明日からダイエット頑張ります……(笑)』



「俺も明日からドラマ撮影また頑張ります」



『ドラマあるのにあんな食べてよかったのー？笑』



「うるせーよ(笑)」



『ふふっ』







.

#42 （福士蒼汰）→←#40 （福士蒼汰）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す