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▶ side: fk
戻している以上、口から水分をとることは難しい。
吐き気が落ち着いたら、すぐに病院に連れて行きたかった。
ラ「せんせ、車いす」
深「ん、ありがとうね」
翔太もハンディ扇風機で風を送ってくれてるけど、それに反応する元気すらもない佐久間。
深「熱だけ測らせてねー……」
さっと手早く体温計を挟み、ずれないように佐久間の腕を押さえる。
阿「そこの日差しのとこにしゃがみ込んじゃってるのをラウールが見つけたみたいで」
ぴぴっと鳴った体温計には8度2分の表示があって、思わず眉を寄せる。
深「なーんでそんなとこにいたかなぁ」
保健のテントに場所作って、スポドリも渡しておいたはずなのに。
少し目を離していた間になにがあったのだろう。
深「佐久間、聞こえたら先生の手ぎゅってして」
目を閉じてしまって、阿部ちゃんに支えられるがままの佐久間。
意識がなくなっていたら怖いからと声をかければ、弱々しいながらも握り返される。
深「ん、分かるね。これから病院行くから、ちょっと移動するよ」
救急車を呼ぶことも考えたけど、今日は体育祭で人出が多い。
自分の車で向かった方が早いだろう。
阿部ちゃんから佐久間を受け取り、横抱きにして抱え上げる。
そっと車いすに乗せたけど、佐久間は座位を保つだけでもしんどそう。
ぐらぐらとおぼつかなく揺れる身体を支え、車いすの背もたれに寄りかからせる。
また戻してしまっても大丈夫なように、佐久間の膝にタオルを敷いて袋を握らせた。
深「阿部ちゃん、康二と病院に連絡お願い」
その他のもろもろの対応も、阿部ちゃんに任せておけば心配ないだろう。
深「佐久間、動くよー」
異変に気づけるように佐久間の顔をのぞきつつ、焦る気持ちを抑えてゆっくりと車いすを押した。
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九花(プロフ) - 多胡春那さん» コメントありがとうございます。次のお話につなげられそうなので、少し考えてみますね！ (2021年5月26日 21時) (
レス) id: 0cc2e8f816 (このIDを非表示/違反報告)
多胡春那(プロフ) - 過去の2人が出会った時を思い出してるとこでもう少し先も知りたいです！ (2021年5月21日 0時) (レス) id: a4579094f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九花
| 作成日時：2021年5月20日 22時
