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佐「……ん、……」
向「さっくん?」
舘「あれ、起きちゃった?」
穏やかに眠っていたはずの佐久間のまつげが揺れて、薄く黒目が姿を現す。
佐「あれ、……こぉじ、?」
小さくて少しかすれた声は、まだ佐久間が本調子でないことを示していた。
佐「めめも、来てくれてる……、っ」
さっき一瞬目を覚ましたって聞いたんだけどな。
だから康二たちが来てることも知ってるはずなんだけど、覚えてないってことはやっぱりもうろうとしていたんだろう。
向「さっくん、気分どぉ?」
佐「んふ、げんき」
ふにゃんと表情をゆるませる佐久間だけど、
舘「ほんとは?」
頬を膨らませた佐久間は、しぶしぶといったようすで口を開く。
佐「ちょっとだけ、……あたま痛い」
舘「ん、よく言えました」
俺は医者だし、佐久間とのつきあいは数年に及んでいる。
不調を隠しがちな佐久間のこと、これくらいならわけなく分かる。
向「翔太くんとラウールくんがな、お大事にって言っとったよ」
佐「にゃは、ありがとぉ」
しばらく友達とも会えていないから、寂しい日々が続いている佐久間。
なかなか佐久間本人の体調が安定しないこともあって、お見舞いも制限してしまっていたから、なおさら寂しかっただろう。
向「あ、あと、靴も持ってきたで」
舘「でも、明日帰れるように今日は安静にね」
俺も早く佐久間から管を外して自由にしてやりたいし。
この微熱も体力が落ちてるせいだと思うから、もう少ししたら下がるかな。
佐「はぁーい」
ちょっと不満げに、だけど素直にうなずいた佐久間が、康二が立ち上がったのを見てとたんに不安そうな表情を浮かべる。
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九花(プロフ) - 多胡春那さん» コメントありがとうございます。次のお話につなげられそうなので、少し考えてみますね! (2021年5月26日 21時) (レス) id: 0cc2e8f816 (このIDを非表示/違反報告)
多胡春那(プロフ) - 過去の2人が出会った時を思い出してるとこでもう少し先も知りたいです! (2021年5月21日 0時) (レス) id: a4579094f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九花 | 作成日時:2021年5月20日 22時