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▶ side: sk
ぱちり。
めめが瞬きをしたことで催眠が解けたようにはっとする。
佐「っやめて、」
目「＿＿え？」
とっさにめめの手を振り払ってしまう。
その直後罪悪感に襲われたけど、それよりも胸の底から突き上げてくるような悲しみと怒りの方が大きかった。
佐「なんで、っなんでこんなことするの？」
もっとたくさん思うことはあるのに、手が震えて言葉が出てこない。
戸惑ったようなめめの顔が目に入って、たまらずうつむく。
ぐっとくちびるを噛みしめ、持ったままだったかばんを抱え直す。
だって、だって。
彼女がいるのに、おれのことなんか眼中にないくせに。
なんでそんな風に期待させるようなことするの。
佐「……ごめん、帰るね」
精一杯の笑顔を作って言う。
声は震えなかったけど、ちゃんと笑えていただろうか。
このいたたまれない空気を作った原因は自分だって分かってるけど、何でもないような顔して部室にい続けることなんて無理だった。
きびすを返して部室から飛び出す。
行く宛もないまま、だけどとにかく1人になりたくて。
明るい部室や太陽が照らすグラウンドから逃げるように、暗い階段の上に自然と足が向かう。
噛みしめた歯の隙間から嗚咽が漏れる。
おれをのぞき込むめめの瞳の色が忘れられない。
そんな自分が一番嫌だった。
めめの行動にはなんの意味もないのに、それなのに、それが分かっているのに。
「うわっ、！」
佐「ぅあ、」
無我夢中で階段を駆け上っていたら、不意に衝撃を感じる。
誰かにぶつかったんだ、そのことに気づいたときにはすでに、階段下に吸い込まれるように体が傾いていた。
がしっと腕を掴まれ、間一髪つなぎ止められる。
「ビビったぁ。誰だよ」
その声に聞き覚えがあって、思わずぱっと顔を上げる。
だけど自分の頬が涙で濡れているのを思い出して、あわててうつむいた。
ぱちりと階段の電気がつけられる。
「あれ、佐久間？ ＿＿ちょっと、どうしたの」
だけどそんな抵抗もむなしく、おれの顔をのぞき込んだ相手が驚いたような声を上げる。
明るくなった階段の上で、おれは自分の失念に思わず息を漏らした。
そこは、去年何度も通った、演劇部が練習に使う踊り場だった。
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九花(プロフ) - ハチさん» ハチさん、お久しぶりです！ さっそく読んでくださってありがとうございます。佐久間くんはほんとにフワフワしているので、めめくんはもう絶対に佐久間くんを一人にしませんね……笑 (2021年9月24日 23時) (
レス) id: 0cc2e8f816 (このIDを非表示/違反報告)
九花(プロフ) - 律さん» 律さんお久しぶりです、ありがとうございます！ 彼らはたぶん、ずっとあんな感じでわちゃわちゃしてますね、笑 めめさくにはかわいいが詰まってますもんね……！ (2021年9月24日 23時) (レス) id: 0cc2e8f816 (このIDを非表示/違反報告)
九花(プロフ) - さやかさん» 読んでくださってありがとうございます！ きゅんきゅんしていただけてうれしいです＾＾ またいつか、思いついたときに書くかもしれません……！ (2021年9月24日 23時) (レス) id: 0cc2e8f816 (このIDを非表示/違反報告)
ハチ(プロフ) - 続編という名の短編その後をありがとうございます!mmskにいつメンとのワチャワチャ感、sk姫を守るmm様、末永くお幸せにという感じでした。今後も更新楽しみに待機してます! (2021年9月19日 23時) (レス) id: 9e54988928 (このIDを非表示/違反報告)
律(プロフ) - 皆で夏祭り！！読みました！！mmskだけでなく2人を取り巻くイツメンとのワチャワチャも見れて一度で二度も三度もおいしい！！って言いながら読みました可愛いがすぎます！！またこうやって子の世界線のmmskが見れて幸せですありがとうございます。 (2021年9月19日 20時) (レス) id: 0f04c0b152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九花
| 作成日時：2021年3月21日 20時
