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何かが腰の辺りで振動している。
なんだよもう、こっちは寝てるんだけど。
薄く目を開け、布団の中を探って犯人であるスマホを取り出す。
液晶画面に映し出された「ひかる」の3文字に、次第に頭がはっきりしてきて。
＿＿ヤバい、やらかした。
時刻は8時。
通知をさかのぼれば、スタッフさんに打ち合わせにくるよう言われてた7時半前後には、鬼のような数の連絡が来ていた。
頭が真っ白になって、旅館から貸していただいた浴衣のまま部屋を出た。
佐「すみませんっ、おれ遅れて、」
ロビーに人影が見えて、まずはスタッフさんに謝ろうと声を発する。
だけど近づいてみると、そこにはメンバー3人しかいなくて。
ひかる、ふっか、そして本来おれがいなきゃいけなかった場所には、康二。
岩「お前さ、昨日言われたよね？
明日の7時半から打ち合わせしますって」
ひかるの低い声に、心臓がぎゅっと掴まれたように痛くなる。
岩「お前まだ浴衣着てるけど、まさか2度寝してたとか言わねぇよな？」
深「わざわざ部屋行っても鍵かかってるし。
佐久間が来ないから、急に康二にお願いすることになったんだよ。
もう少し自覚持てよ」
向「おれが打ち合わせに参加することは全然ええんやで？
けど佐久間くんの寝坊癖、そろそろほんまに直さんと」
分かってる。
分かってるの、おれが悪いことなんか。
だけど、おれだってしんどかったの。
熱あって、頭がぐらぐらして、昨日も吐いちゃって全然眠れなかった。
体調悪いのを隠すってわがまま言ったくせに、こういうときだけ言い訳に使うのはズルいっていうことも、分かってる。
佐「っごめ、……なさい、おれ、」
深「いいよ、今日は康二がやってくれたから。
もう部屋戻れば？
俺らはしばらく打ち合わせしていくけど」
突き放すようなふっかの冷たい声に、涙がこぼれ落ちそうになるのを必死で耐える。
おれが悪いのに、泣くのは卑怯だから。
ふらふらとロビーを出て、だけど部屋に戻る気にはなれなかった。
どこに向かっているのかも分からないまま、廊下を進む。
耐えていた涙も、振り返っても3人の姿が見えない位置まできたらあふれ出した。
壁に手を付かないと、身体を支えられない。
寒くて、熱い。
頭が痛い。
＿＿息が、できない。
自覚したときにはもう遅くて、呼吸の仕方が分からなくなる。
息を吸うばっかりで、吐きたいのに吐けなくて、目の前がちかちかと渦巻いて前も後ろも分からなくなった。
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九花(プロフ) - れなさん» うれしいです、ありがとうございます！続きも楽しんでいただけるように頑張りますね！ (2020年11月18日 19時) (
レス) id: b71fcc7439 (このIDを非表示/違反報告)
九花(プロフ) - 葉月さん» うれしいコメントありがとうございます。執筆速度は遅いですが、今後も期待に応えられるよう頑張りますので応援よろしくお願いします！ (2020年11月18日 19時) (レス) id: b71fcc7439 (このIDを非表示/違反報告)
れな - えええもうお気に入りです！！ (2020年11月17日 21時) (レス) id: fb5eeefa96 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 前から読ましていただいています。いつも更新が待ち遠しくて、更新されると飛んできてしまいます！これからも更新頑張ってください！ (2020年11月17日 19時) (レス) id: 5fa35a3299 (このIDを非表示/違反報告)
九花(プロフ) - バナナさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけているようでとてもうれしいです。今後も頑張りますので、よろしくお願いします！ (2020年11月16日 19時) (レス) id: b71fcc7439 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九花
| 作成日時：2020年11月1日 17時
