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佐「っごめ、……おれ、……っはぁ、」
やっと落ち着いた佐久間くんの声は、あまりに弱々しい。
佐「なんでもない、っ、……大丈夫」
次の瞬間、俺の手を振り払うように立ち上がった佐久間くんの身体がぐらりと傾く。
目「っちょ、
__なんでもなくないでしょ」
ぎりぎりのところで支えれば、佐久間くんの表情が苦しげにゆがんだ。
佐「大丈夫、大丈夫だから……っ、
おれのせいなの。
ちゃんと時間、見てなくて、それでひかると、……ふっか、が、」
大きな目からぽろぽろと涙がこぼれる。
何があったのかは分からないけど、この熱だったら撮影までにになんとかしなきゃいけないことは明白で。
目「佐久間くん、……なんかあったのは、辛かったら今は思い出さなくていいから。
とにかく部屋に戻ろう」
そのまま横抱きにして佐久間くんの部屋に向かおうとすれば、きゅっと服の袖を掴まれた。
佐「だめ、おれの部屋はだめ。
ラウが、いるもん」
脳裏に浮かんだ、弟みたいな存在のやつ。
同じように熱を出してるラウがこの佐久間くんを見たら、……互いに気を使って無理をするだろう。
目「……わかった」
方向転換して向かったのは、さっき佐久間くんが呼んでたあの人の部屋。
目「失礼しまーす……阿部くんいます?」
阿部くん、舘さん、康二の部屋だった。
舘「阿部なら今はいないけど。
康二も佐久間が起きないからって駆り出されて、……どうした?」
ドアを開けて招き入れてくれた舘さんが、俺に抱えられた佐久間くんを見て目を見開いた。
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九花(プロフ) - れなさん» うれしいです、ありがとうございます!続きも楽しんでいただけるように頑張りますね! (2020年11月18日 19時) (レス) id: b71fcc7439 (このIDを非表示/違反報告)
九花(プロフ) - 葉月さん» うれしいコメントありがとうございます。執筆速度は遅いですが、今後も期待に応えられるよう頑張りますので応援よろしくお願いします! (2020年11月18日 19時) (レス) id: b71fcc7439 (このIDを非表示/違反報告)
れな - えええもうお気に入りです!! (2020年11月17日 21時) (レス) id: fb5eeefa96 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 前から読ましていただいています。いつも更新が待ち遠しくて、更新されると飛んできてしまいます!これからも更新頑張ってください! (2020年11月17日 19時) (レス) id: 5fa35a3299 (このIDを非表示/違反報告)
九花(プロフ) - バナナさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけているようでとてもうれしいです。今後も頑張りますので、よろしくお願いします! (2020年11月16日 19時) (レス) id: b71fcc7439 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九花 | 作成日時:2020年11月1日 17時