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渡「もう大丈夫か？」
こくりと力なく頷いた佐久間に一気に安堵して、だけど問題はまだ、何も解決してない。
渡「……ちょっと水取ってくる」
洗面所で口をすすぐよりもペットボトルの方が楽だと判断して、ぐったりした佐久間を置いて荷物を取りに行く。
佐久間の名前が書かれたミネラルウォーターと自分のスマホを持って戻れば、バスタブに背中を預けて座る佐久間の姿があった。
渡「はい」
ペットボトルを渡して、スマホを開く。
真夜中だけど、これだけ戻してればグループトークに連絡すべきだろう。
佐「しょ、た」
いつもの佐久間からは想像できないくらい小さな声に顔を上げれば、泣きそうな表情の佐久間と目があって思わずたじろぐ。
体調を崩したとき、いつもならバカみたいな冗談でも言って元気アピールしてくるのに。
佐「みんなには、言わないで」
渡「はぁっ？！何言ってんの、お前こんなに吐いてんのにまだ隠そうとしてるわけ？」
佐「っだって、」
また反論しようとする佐久間だけど、まだ呼吸があやしい。
渡「……っいいから、まずは口ゆすげ」
埒が明かないと判断していったんスマホをしまえば、安心したようなようすを見せる佐久間。
佐「＿＿……っあれ、……しょうた、開かないや」
困ったように眉を下げて笑いながら、佐久間がペットボトルを差し出す。
新品でもなくて、昨日佐久間が自分で閉めたやつなのに。
渡「お前さ、手に力入らないくらいヤバいならやっぱ言った方が、」
佐「寝起きなだけ。
体調悪いからじゃないもん」
なんだかんだ結構頑固なところがあるコイツにこれ以上言っても、今は聞かないだろう。
ボトルの蓋を開けてやり、佐久間に渡した。
渡「相当吐いたんだから、ゆっくりでもいいからちゃんと飲め。
＿＿で。いつから？」
佐「いつから、って何が？」
首を傾げてみせるけど、とぼけてもお見通しだからな。
佐「……っ今朝、から。
っていうか、正確に言うなら……一週間くらい前？」
観念したように俯いて話す佐久間の言葉に、俺はただ目を見開く。
渡「一週間前、って、……なんで誰にも相談しなかった」
佐「だって！」
顔を上げた佐久間の大きな瞳は潤んでいる。
佐「ずっと微熱くらいだったし、……そんなんで心配かけたくなかった。
ちゃんと熱っぽかったのだって今朝からで、解熱剤も飲んだもん」
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九花(プロフ) - れなさん» うれしいです、ありがとうございます！続きも楽しんでいただけるように頑張りますね！ (2020年11月18日 19時) (
レス) id: b71fcc7439 (このIDを非表示/違反報告)
九花(プロフ) - 葉月さん» うれしいコメントありがとうございます。執筆速度は遅いですが、今後も期待に応えられるよう頑張りますので応援よろしくお願いします！ (2020年11月18日 19時) (レス) id: b71fcc7439 (このIDを非表示/違反報告)
れな - えええもうお気に入りです！！ (2020年11月17日 21時) (レス) id: fb5eeefa96 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 前から読ましていただいています。いつも更新が待ち遠しくて、更新されると飛んできてしまいます！これからも更新頑張ってください！ (2020年11月17日 19時) (レス) id: 5fa35a3299 (このIDを非表示/違反報告)
九花(プロフ) - バナナさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけているようでとてもうれしいです。今後も頑張りますので、よろしくお願いします！ (2020年11月16日 19時) (レス) id: b71fcc7439 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九花
| 作成日時：2020年11月1日 17時
