【す/の】君以上の人には【短編集】 (ページ1)

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バレンタインデー<fk zw> ページ1

ふ「Aちゃんっ！っごめんね、遅くなって！」

そう言いながら待ち合わせ場所に現れたのは、付き合って二年になる私の彼氏。

『いいよいいよ、お仕事お疲れさま！』

ふ「いやほんとにごめんね、寒かったでしょ？」

今日は２月14日。まだまだ冬の厳しい寒さは続いていて、私の手は冷たくなっていた。

私は無言で両手を彼に差し出して、彼もまた無言のまま私の顔を見ながら手に触れた。

ふ「…つっめた！！うわぁ、まじでごめんね…」

あせる彼とは対照的に私は笑った。

『たつやくん温めてよ』

彼はあぁ、と曖昧な声を出しながら迷うことなく私の右手に指を絡める。

…こういうところが、本当に。

私は彼を困らせようと思うのに、私の彼氏はいつでもスマートに恋人らしいことをしてくれる。

『…たつやくんがお仕事忙しいの、私は嬉しいよ。去年に比べると最近はすごく忙しそう。』

「ありがと、…そうだね最近忙しくて……あんまり会えないね。」

きゅ、と少しだけ繋いだ手に力が入って。

『うん、でもこうやってお仕事の合間に会ってくれるのが嬉しいの！…あのね？』

「うん」

『忙しいの知ってるのに、絶対今日会いたいって言ったのは理由があってね』

「…なんで？」

理由なんて、絶対分かってるのに、彼は優しく私に問いかける。

『バレンタインだから！今年も頑張って作ったよ。』

家から慎重に持ってきた袋を手渡す。

「ありがとう、めちゃくちゃ嬉しい！」

彼は本当に嬉しそうに笑ってくれて、私はホッとする。数日間悩み、一日かけて手作りしたかいがあった。

「俺Aちゃんのチョコが楽しみで今日の仕事すげえ頑張ったの。」

無邪気にそんなことを言われると、どうしようもなくドキドキして。

「ありがとうね、…大好き。」

どれだけ会えない時間が増えても、きっとずっと、たつやくんが好き。

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なんだか長くなってしまった上にふわっと終わった話。
fっかさんといえばリアコなので、付き合えたらこんな感じかなーという話です。

漢字だとまずいかなと思って名前をひらがなにしてみました。検索避けになるかどうかは分かりませんが…。