ウサギなノルン REQUEST ページ28
army side
心臓が口から出そうという比喩を小馬鹿にしていたタイプだが現在の僕がまさにそれ
…ぎゅっと握りしめた紙袋の持ち手は僕の力加減がおかしいせいでヨレヨレ…
「……っひ……」
「？きんちょーです？」
「…………(白目)」
……ダメだこれは予想してなかった
もうだいたいの予測は着いたと思うけど僕は今日はじめてサイン会というものに参加した
過去のサイン会の様子を調べに調べ僕の推しノルンちゃんの並び順はだいたい4.5番目で両脇にクオズ、もしくはヤンコチのパターンが最近は多い
なのに………なぜトップバッターにいるの？！
「おっぱ〜、はじめてですか？」
「はっ……はい！」
口から心臓どころか、内蔵まで出そうになってる僕の手をギュッと握ってくる……？！？！
思わず勢いよく返事してしまい、ノルンちゃんのとなりにいるテテから痛い視線を感じる…
……いやここで逃げたら負けだ！
「こ、こ、これｯ」
「ふふっ」
へ……
持ち手がくしゃくしゃの紙袋から今日のために用意したウサギのカチューシャ(ハンドメイド品の一点物)を取り出してノルンちゃんに見せる
がしかし…
何故か微笑みながら僕に頭を差し出してくる…
え、僕が付けろってこと？え？
「？つけてくれないですか…？」
「へっ、あ、いや！今つけるね！？」
「ふふっ」
ナニコレナニコレナニコレ
ちょっと悲しそうに上目遣いで僕を見つめてくるノルンちゃんが今は天然ではなくあざとく見えて、まんまとハマってしまうのだが？！
僕もう死ぬのかしら？()
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作者名：薇
| 作成日時：2018年12月22日 19時
