そばにいてね。【2】 (ページ9)

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ru×ab ページ9

毎日、夜になると微熱が出る。

ついこの前まで風邪を引いて熱を出しちゃってお仕事休ませて貰ったりもしてた。その延長線かな、と思ってたんだけど。

熱が下がって仕事に復帰してから1週間。夜になると微熱が出る症状だけが治らない。気になって症状で検索を掛けてみても出てくるのは『疲労』『ストレス』なんてものばっかりで、ハッキリした原因なんてわからなくてすぐ閉じた。

また仕事に穴を開けたくない。
幸い、昼は普通に仕事ができる体調なのが救いだった。でも、大人になって、今はもう夜まで仕事ができるようになったから、夜の仕事もなんとしてでも乗り切らなきゃいけない。

微熱で若干ぼんやりしている中、メンバー共有のスケジュールを確認する。明日と明後日は夜にも仕事が入っていた。嬉しいし有難いことなんだけれど、今の自分じゃ少し不安が募る。
今は絶対大丈夫だと思い込んで、早く眠ることしかできなかった。

1日目は怪しまれるようなこともなく普通に乗り越えられた。

2日目は昼は仕事がなかったから、家でのんびりして体力温存をした。調子いいかも、このまま夜まで持ってくれって思ったのに、そううまくはいかない。外は暖かいはずなのに、熱が上がる前兆なのか暗くなってから家を出たら肌寒く感じて、薄手の上着を羽織った。

現場に着いて一番最初に巡り会ったのはめめ。でも、勘が鋭いところがあるから油断できない。

「今日暖かいのに上着？」

「うん、オシャレってやつを楽しもうかな～ってね。1枚羽織ればいい感じじゃない？」

「お前は何着てもいい感じだけどな」

「え、なに嬉しいんだけど！」

「はいはい、行くよ」

特に疑っているような様子はない。内心よかったと安心してしまう。