そばにいてね。【2】 (ページ37)

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モデル業、頑張りたいんだ。

そう話せばメンバー皆背中を押してくれた。その期待に応えたくて、トレーニングも減量もできる限りのことは全部してきた。

海外でのランウェイ。写真にも映像にも残るし、それが世にも出る。ここからグループも知って貰えるかもしれない、って考えたら自然と背筋も伸びる気がした。

服が似合う体型にするために妥協はしていない。ただ、ちょっと無理して体重を落とした。

それから、こんな体じゃ前みたいに踊れないってこともわかっていた。最初から、これが終われば少しは元に戻すつもりだった。

ダイエットと並行してダンスレッスンもある。前より息が切れるのが早くなって、全力で踊ろうものなら2曲連続なんて絶対に無理。

そんな中告げられたのは海外でのモデル業のあと、日本に戻ってきてすぐ、体重が戻る前にパフォーマンスの場があるってことだった。仕事は仕事。きたものを断ることはできないし、したくない。

そしてファンのみんなを心配させるわけにはいかない。でも、手を抜くことはしたくない。とりあえずやってみよう、そう思っていたのだけれど、現実は甘くはなくて。

「……っ、はぁっ、はぁ…」

1曲踊っただけなのに、ライブの終盤くらい息が切れる。寧ろライブの終盤でもこんな切れることあんまりないかもってくらい。

こんなんじゃ喋れないし、むしろ黙っててもカメラに向かって笑顔を保つことなんてできそうにない。

「大丈夫？」

佐久間くんの声。

俯いたまま息を整えるのに必死で顔見られないけど、多分眉を下げて心配そうな顔してるんだろうなあって想像はつく。

「喋んなくていいからちゃんと呼吸してね」

意外と男らしい手が背中をさすってくれて、しばらくしたら落ち着いてきた。顔をあげればみんな心配そうな顔してて、なんだか申し訳ない気持ちになる。

「佐久間くんありがと、落ち着いた」

「そ？良かった」

「……みんなも、なんかごめんね？大丈夫だから次いこ」

リハーサル、もう1曲残ってるの。