そばにいてね。【2】 (ページ24)

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とりあえずソファに横にならせて、ブランケットを掛けてあげる。

「……めめ、ごめ、」

「謝ることないじゃん。俺もふっかさんがやだって言ってるのにごめんね？」

ふるふる首を横に振ったふっかさんは、こっちに背を向けた。口元をブランケットでおさえて、げほげほ、しんどそうな重い咳をする。

「め、め」

「ん？」

「帰る、っしょ」

口では移すとまずいから帰ってって言うけど、表情がめっちゃ寂しそうなの。元々持ってる儚げな雰囲気もあって、ほっといたら消えちゃいそうなかんじ。

「うーん、俺ふっかさんが1人になるの心配だなあ。今もしんどそうなのにこれよりしんどくなっちゃったら誰もいないじゃん」

「……ずっと、ねてるから、大丈夫」

「ふっかさんが楽になるまでいちゃだめ？」

「…………めめ、ドラマあるし、移したらやべーもん」

目が真っ赤でうるうるなのは、熱のせいもあると思うんだけど。瞬きしたときにちょっとだけ溢れてきてしまった涙をそっと親指で掬う。触れたところが予想以上に熱くて、ちょっとびっくりした。

「ふっかさん、寂しいときは寂しいって言っていいんだよ。その方が俺も嬉しいな」

「……っ、ひとり、嫌だった」

「うん、熱高いのにひとりなの、嫌だよね」

「ほんとは、めめきたの、すげー嬉しかったけど」

「うん、マジで俺体は丈夫な自信あるから、なんも心配しないで？」

ふふ、って小さな笑い声と一緒に目がきゅっと細くなる。今日初めて笑った顔見られた、って思ったのもほんの一瞬で、今度は眉間にしわがぎゅって集まった。

「っ、げほげほっ！ごほ、」

「たくさん喋らせちゃってごめんね。このまま横んなってて大丈夫？ベッドいく？」

「……座ってたほうが、楽かも」

そう言って座ろうとするふっかさんの背中に手を伸ばして支えてあげる。ブランケットをきゅって体に巻き付けるふっかさんは、小動物みたいでちょっとかわいい。

熱のせいでふらふらで背もたれに背を預けてもぼんやりしてるから、隣にお邪魔した。

「こっち寄っかかったらどうかな？普通に座ってたほうが楽？」

「ん、っと……肩、かりてい？」

華奢な肩を抱き寄せればすぐ、安心したような寝息が聞こえてきた。