そばにいてね。【2】 (ページ19)

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だったら素直に言っちゃえばいいか。

「ちょっと目眩してん」

「え、大丈夫？」

電話の向こうの声が、わかりやすく心配そうな声に変わる。

「大丈夫やで、そんなに心配せんでも」

「そりゃ心配でしょ。今もしてんの？」

「ちょっと」

「え、じゃ切るからちゃんと休めよ。なんかあったらすぐ連絡してきていーから」

いつもなら、ありがとうねって切るけど。
静かな部屋に、目眩に耐えながらひとりでいるって、寂しい。

「なあ、しょっぴーの声落ち着くからもうちょっとそのままでおって…？」

切ろうとするしょっぴーに、思わずわがままをぶつけてしまう。でも向こうからの返答はない。

しょっぴーも忙しいし、迷惑だったよな。それより、怒らせちゃった？いや、呆れられたかも。慌てて訂正しようとしたら、あのさあ、って、低くて、それでいて優しい声がした。

「いいの？俺で」

「しょっぴーがええの」

「ふーん、じゃあ、もう少しだけな？」

ちょっとツンデレで可愛いな。
本人には言わないけどね。

そこからはしょっぴーの方から話を振ってくれた。最近美味しかったご飯の話とか、俺がしばらく会えてないメンバーの話とか。特に返事の必要はない他愛ない話は、俺を落ち着かせるには十分すぎるくらい。