そばにいてね。【2】 (ページ1)

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sk×fk ページ1

共有のスケジュールを見たら、偶然同じスタジオの違うフロアで佐久間も撮影してて。
押してたらあれだけど、終わりの時間も近いから会いに行こっかなと思って、すぐそこにあったエレベーターに乗り込む。

おそらくここだろうと開けっ放しだったスタジオの扉からちらっと覗いてみれば、撤収作業の最中で。なら、楽屋にいるのか。

『佐久間大介様』と書かれた楽屋を見つけて、ノックを2回。返事はないけどグループメンバーの特権ってことで入っちゃえ、ってドアノブに手を掛ける。

開けた瞬間、ソファに寄りかかるようにして床に座り込んで俯く姿が目に入って、慌てて駆け寄った。

「さっくん、聞こえる？どうした？」

「……ふ、か、…なんで」

「同じビルで撮影してたから来てみたの。具合悪くなっちゃった？」

「……ん、力、入んなくて」

「とりあえずソファ座ろう。支えるからちょっと頑張れる？」

体を支えた時に手のひらに伝わる熱さでなんとなく察しがついた。
ソファに座らせてあげれば、ゆらゆらと危なっかしい。心配でそのまま横になってもらった。

「朝から？」

頷いて、目元を腕で覆う。

「しんどかったっしょ、ひとりでよく頑張ったね」

1人での撮影は余計に気を張っていたのだろう。実際、まだ衣装のままだし、楽屋に戻ってきてすぐ気が抜けちゃったのかな。
来てみてよかったと思う。もしあのまま俺が帰っていたら、きっとさっくんはまだここにいて、1人で辛いのに耐えてたはずだから。

楽屋は次に使う人がいるようで、衣装だけ着替えさせてからタクシーまでおぶった。
俺の家がいいかさっくんの家がいいかって問いかけには食い気味に「おれんち」と言うのでタクシーには途中コンビニに寄って貰ってからさっくんの家に向かってもらった。