nb×kj ページ45
雑誌の表紙に特集、新曲のリリースに、歌番組。有難いことにお仕事をたくさん頂けている。その中でも自分の体のケアは手を抜かずにやっていたつもり。
ただ、色々気をつけていても、予測できないことはある。
口内炎ができちゃって。
しかも食べ物噛むときにちょうど当たるような場所の悪いとこ。うわマジかよ、でも反対側で噛めばいけるっしょって思ってた。でも1度ついちゃった癖はなかなか治らなくて、無意識にそっち側で噛んじゃうし、意識して反対側で噛んでみても顎が疲れる感じがするし。
諦めて口内炎ある方で食べてみることもあったけど、どっちで噛んでもどこかしら痛い。痛みと戦いながら食べるのに疲れちゃって、次第にどんどん食べる量が減っていった。
「翔太、そんだけ?」
ケータリングのお弁当。半分も食べていないけれど、食べるのに疲れて箸を置いてたら隣で食べてたふっかに声を掛けられた。
「うん」
「んー、あんまお腹すいてない感じ?」
「そんなとこ」
「まあ、お腹すいたらちゃんと食べなね」
残ったこれはどうしよう。捨てるのはさすがに勿体ないしなあ、と思えば、少し離れたとこにはお弁当を美味しそうに頬張るラウールがいた。
「ラウールそっち選んだんだ」
「しょっぴーもう片方?」
「そ。食べかけで悪いけどお腹いっぱいになつちゃってさ。食べない?」
「え!?いいの?食べる!」
目がキラッキラになってたから思わず笑っちゃった。お弁当を渡せば喜んでくれたけど、同時に表情がわかりやすく曇る。
「しょっぴー全然食べてないじゃん、具合悪いの?」
「や、そんなことないけど」
「無理しちゃダメだよ?」
「はいはい、お前もな」
まさか最年少から心配されるとは思わなかったけど。
でも、食べられないのはこの日だけじゃなかった。口内炎なんてすぐ治るって思ってたんだけど、時間が経っても全然良くなってくれなくて。
ただ、忙しいってことは必然的にメンバーと顔を合わせる日も増えるわけ。毎回毎回お弁当の残り誰かにあげてたら当然心配もされる。
だからいっそ、食べたフリをしたらいいんじゃないかって、ときどき「疲れてるからあとで食べる」「さっきお菓子食べたからいいや」って言い訳してメンバーの前でご飯を食べない日も増えた。
自分で何かを作る気にはもちろんならないし、コンビニとかで買うのも面倒だし。カバンに入ってたお菓子つまむだけの日もできた。
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作者名:めーる | 作成日時:2022年2月1日 22時