そばにいてね。 (ページ42)

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気持ちよさそうに寝息を立てる阿部ちゃんにつられて俺も眠くなってきた。ちょっと寝よっかな……てか気づけばふっかさんとかしょっぴーとかも寝てるし。思わずあくびをしたところで肩に頭を乗せた阿部ちゃんがもぞもぞ動き始めた。

「……阿部ちゃん？起きた？」

「……いまどこ？」

「んー、よくわかんない。でもまだもう少し掛かるって」

返事をした阿部ちゃんはもう1回目を瞑ったからやっぱ疲れてんだなと思う。

阿部ちゃんの疲れがちょっとでも取れますように、と願いながら、俺も一緒に寝よ、と思ったんだけど。

ふと、隣から聞こえる呼吸が不規則なことに気づく。なにかに耐えるみたいな呼吸に心配になって、あべちゃんの太ももを軽く2回とんとん叩いた。

「ね、ごめん、起きてる？」

「ん、…起きてるよ、どうした？」

「あべちゃんもしかして具合悪い？」

オブラートに包んで、とか、ふわっと、とか。そういうの俺にはできないから。ストレートな言葉を投げる。

「頭痛いんだよね、ちょっとだけ」

「マジか。起こしてごめん」

「んーん、起きてたし」

「この姿勢で大丈夫？横んなる？」

「大丈夫、肩もう少し借りるね」

いつもなら絶対大丈夫って返ってくるのに。でも、素直に体調が良くないことを言ってくれたのは純粋に嬉しくて。近くにあったブランケットに手を伸ばしてあべちゃんの太ももあたりに掛ける。しばらくして寝息が聞こえたところで、俺も目を閉じた。