そばにいてね。 (ページ26)

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とりあえず必要そうなものは全部道中で買えばいいや、と途中でコンビニに寄って、冷却シートにゼリーやお粥、一応薬も買っておいた。

ビニール袋片手に電車を乗り継いで康二の家へ向かう。やっと到着してインターホンを押すけど、応答はない。やっぱ寝てるかも。鍵開けといて、くらい言っておけばよかったな。

インターホンを押し続けて3回目。ガチャ、と玄関の扉がゆっくり開いた。

「……え、ふっかさん？」

「具合どう？」

「え？」

なんで知ってるん、って言いたげな顔してる。

「もしかして覚えてない？」

「え、なにが？」

「康二、朝俺に電話してきたの、熱出たって言ってたから心配で来ちゃった」

「ホンマ！？ごめんごめん、ふっかさんオフやのに。おれ寝ぼけてたのかもしれんわ、全然大丈夫やで」

全然大丈夫って言うわりには、顔色もあまり良くないし、なによりちょっと寂しそうで。帰ってええでって家に入れてくれないけど、この状態の康二を1人にして帰るのは俺が不安。

「色々買って来たからちょっと入れてよ」

「でも今日オフやろ？いや電話したおれが悪いねんけどさ、ちゃんと休み？」

「大丈夫よ、来たくて来てるんだし。あと顔色良くない康二1人にして帰れないんだけど」

ね？と両手を合わせてみれば申し訳なさそうな顔をしつつ家に入れてくれた。
ほんと、普段はめちゃめちゃべったりなのに、こういうときはすごい遠慮するよなあ。

「ごめん、ちょっと散らかっててん」

「全然、康二は楽にしてて」

ベッドに横になって欲しかったけど、もう動くのが無理っぽい。ソファに横になった康二はブランケットを肩まで掛けてぼんやり天井を見つめている。やっぱしんどいんじゃん。

「熱どんくらい？」

「起きたときは7度後半くらいやったかな…」

「高ぇじゃん」

「……今まだ寒いねん」

「マジ？布団1枚足そっか」

寝室にある布団で大丈夫っていうからそれを持ってきて1枚上に掛けてあげる。流れで首筋を触ってみるけど、7度後半ってか8度くらいありそうな熱さ。