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深澤side
スタッフさんと話をして楽屋に戻れば、楽屋内はいつもよりも静かで。ソファでぼんやり座っているめめを見て、体調が悪かったことを思い出した。
撮影があまりにも順調だったから、忘れちゃってたや。
「あ、ふっか」
楽屋に戻るなりすぐ阿部ちゃんに手招きされる。
阿部ちゃんがおれを呼ぶなんて珍しいなあと思いながら近寄れば、声のボリュームを抑えた阿部ちゃんがゆっくり話し出した。
「めめ、今日はふっかがいいみたい」
「おれ?」
「うん、さっきふっかさんは?って、ふっかのこと探してて。こっち戻ってからもときどききょろきょろしてる」
ソファに座るめめはぼんやりとどこか遠くを見つめているようだった。行ってあげて、と言われて、自分の荷物を纏めるのもそこそこにめめの隣に腰を下ろす。ゆっくりこちらを振り向いためめは目が充血していて、なんだか熱も出ていそうな感じ。気づいてなさそうだけど。
「………ふっかさんだ」
「戻ってきたよ。撮影お疲れ様、よく頑張った」
「……おれ、できてました?」
「完璧よ。さすがモデル」
「よかった」
ふわっと笑った顔が雑誌のときのクールな表情とは正反対で、思わずこっちの頬まで緩んじゃう……って、そうじゃなくて。
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作者名:めーる | 作成日時:2022年2月1日 22時