時々、狼 (ページ30)

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あっという間に体育祭当日

外はめちゃくちゃに晴れていて暑すぎる

朝、照くんは当日準備があるからと先に辰哉くんと登校した

その代わりに蓮くんの自転車で一緒に行ったら

たまたま会った辰哉くんにふざけて冷やかされた(笑)

ちなみにあの日撮った照くんは待ち受けにして

開いてはにやけ開いてはにやけを繰り返している

体育祭前日まで何度かあった練習中も

照くんが周りの男の子たちにガンつけていて

そろそろ友達増やす？なんてわたしと蓮くんの計画は

あっという間に崩れ去ったことは照くんには言えない

開会式で体育委員長の照くんが挨拶する時

マイクの位置が自分の顔の位置より遥かに低すぎて

「へへっ」なんて照れ笑いするもんだから

「えっかわいい」なんて同級生に騒がれてちょっと嫉妬した

その黄色い歓声は競技中も止まらなくて

「岩本先輩頑張れー！」なんて

他クラスのくせに応援してるし…！！

あーわたしこんなに嫉妬深かったっけ？

なんて、行儀悪いなって思いながらもお弁当に入ってたウインナーに箸を突き刺した

目「………なにお前怖いんだけど」

『照くんのギャップが知れ渡ってしまったのだよ。嫉妬だよ嫉妬、あーあ！！！』

目「いや、みんなお前の彼氏って知ってるっしょ」

『うそ！』

目「あんだけ毎日1年の教室来てでかい声でAの名前呼んでんじゃん。さすがにわかるっしょ」

『んー、そうかなあ……』

目「そうだよ。てか応援団の時に先輩お前のことガン見してるしそこで知らない奴は気づくんじゃね」

『本番くらいちゃんと前向いて欲しいけどね』

お弁当の時間すら辰哉くんと一緒に女子に囲まれてる照くんを見て、モヤモヤと嫉妬は加速した

もう、応援団なんかやったらもっとファン増えるじゃん……