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06‐私のヒーロー ページ6

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ただ手を掴まれただけなのに、強く鼻をかすめた男物の香水の匂い。
思わず眉をしかめたけれど、男の人は気にもしていない様子で私の手を引いた。





「お姉さん可愛いから人質〜。ね、お願い、客引きしないと俺ら帰れねーの!
俺らを助けると思ってさ〜!」

「ちょっと……離してよ!」





掴まれた手がぞわぞわする。
ただでさえ男の人は、というより、パパみたいな男の人は嫌いなのに。
香水臭くて、乱暴で、女の人を手の内に出来ると勘違いしている類の人達。


他の友達も抗議に出たけれど、代わりに手を取られたり肩を組まれたりと私の二の舞になってしまっている。





「オイ」

「痛ェ!!」





突然、掴まれていた嫌悪感がなくなった。
同時に、すぐ隣で聞こえたのは雷が氷を割ったような轟く低音と、私を誘っていた男の人のうめき声。


見上げた先に居た人に、私は唖然として思わず声を失った。





「無理な勧誘は違反だぞォお前ら。
学生相手にホステス連れて行こうとすんじゃねェ」

「げっ、ポリ公じゃん!」





あの時の警察官。

警察のくせに私の初恋を盗んでいった、あの。



また会えた。
まるでヒーローみたいに。

やばい、どうしよう。
心臓うるさすぎる。聞こえそう。





「しょっ引かれたくなかったら今すぐ店に帰るこった。
食い下がるってんならァ……」

「いやいや、今すぐ帰るって!
お前ら、散んぞ散んぞ!」





私を守るように、警官は私の手首を掴んで引き寄せた。
後ろに倒れそうになって、体制を取り戻したけれど、一瞬頭が警官の胸板に触れた。


近すぎるその距離で、心臓がおかしくなりそうだ。





「お兄さぁん! ありがとうございましたぁ」

「てかお巡りさん?
めっちゃイケメンじゃない?」

「おい高校生……お前ら凝りてねェんかァ?」





呆れるように友達とやり取りをしている中でも、警官は私の手首を掴んだまま離さない。

依然、距離もおかしい位に近いままで。



私だって、気付いてるのかな。
ううん、気付いてない筈。

だって前に補導された時は暗かったし、制服だったし、
……それに、今日みたいな化粧だってなくて。




わざとらしく咳払いをすれば、それに気付いた警官が漸く掴んでいた手首を離した。

触れられていた場所が、冬なのにいまだに熱を持っている。





「お前、大丈夫か?
……って、悪ィ、俺も勝手に掴んでたなァ…」





警官と目が合う。


その瞬間、鋭い目が真ん丸に見開かれた。





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k - おそらまめさあああああああん、、(4回目)いや、あの最高でした。胸きゅんってこういうことを言うのですね、、やはり実弥のかっこよさは最高ということですね。(?) (6月15日 23時) (レス) @page46 id: 5d2f3eba17 (このIDを非表示/違反報告)
ha0824du(プロフ) - 赤の他人で恐縮ですが言わせてもらうと文才すぎやろ〜才能爆発やん!の二言です。ありがとうございます。はい。 (2022年10月6日 22時) (レス) @page46 id: 0233a38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 39ページ 舌を見ると の 舌 は 下 ではないでしょうか? (2021年6月4日 13時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - Lunaさん» Luna様、最後までご愛読ありがとうございました!最後は少し駆け足になってしまいましたが、胸きゅんお届けできて嬉しいです(^^)かっこいい実弥さんは永久不滅です! (2021年5月29日 1時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - はじめまして。胸きゅんの素敵なお話ありがとうございました。実弥さんかっこよすぎましたっ!! (2021年5月28日 16時) (レス) id: acb6885805 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2020年10月22日 21時

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