好きだった人【黒尾鉄朗】 (ページ9)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:653 hit

9 ページ9

『はっっっ！！！！！！！！！今何時』

お母さんの声に起こされて飛び起きると、目の前には6時を過ぎた時計が。

げヤバいあと30分もない！！！！！！

お母さんが起こしてくれなかったらメイクも髪の毛のセットも簡単にだってできなかった、、ありがとうお母さん、、

『いってきまーす！！！！』

お母さん｢清子ちゃん達に迷惑かけちゃダメよ〜｣

『わかってるー！！！！！』

急いで靴を履いて自転車で最寄りの駅に向かう。

ああ眠い、絶対新幹線寝る、、清子とお菓子食べる予定あるのにー、

昨日ぐっすり眠ることができなかったのか私としては珍しく夢を見た。

バレーの夢。

烏野高校が全国大会に宮城県代表として出場する夢。

夢の中で笑うみんなはとても眩しくて。スガも大地も旭もすっごい笑顔でプレーしてたな。キラキラ笑ってた。

でもあれ？私は？いたっけ、、

どうしても夢で私がどんな顔だったか、そもそも居たのか思い出せない。

正夢になったらいいけど、、みんなの隣にいれないのはちょっと嫌だな。

夢の続き見てみたい。

あぁもー！もっと長く寝てたかったし、でも寝てたら遅れるし！夢見た日に限っていつもより早い電車なのなんでよ〜、、あでも夢を見たのは遅く寝たからなのか？スガのおかげで夢見れ────────

えてか電話切ったっけ。
まだ繋がってるとかない、よね？

信号で止まってる間に恐る恐るスマホの画面を見る。

もちろん繋がっているなんてことはなく、5時半に通話が終了していただけでなく、｢おはよう♡｣と朝から元気なスガからの連絡も入っていた。

多分起きた時に切ってくれたんだな。

『おはよ、昨日寝ちゃってごめん(＞＜)』

『スガ起きるの早いね』

『昨日のこと全く覚えてないんだけど！』

そう送り終えるとタイミング良く信号が青に変わる。

私はスマホをポケットにしまい、ペダルに足をかけて駅へと急ぐのだった。

この時の私はまさか寝言をスガに聞かれていたなんて知る由もない。