【Ryohei.A】実は彼女がいるらしい

7.作戦 ページ7

Fukazawa side

Aに会ってすぐに気づいた。何かあったんだって。
昔からAのことを見ているからわかる。どうやったら吐き出してくれるのか。

『はい、どーぞ』
深「ありがと、いただきまーす」
阿「いただきます」

相変わらずAの料理美味いな。

『味付け大丈夫かな？濃すぎたり薄すぎたりしない？』
阿「大丈夫だよ、今日もすっごいおいしい」
『そっか、よかった』

深「ねぇ、A前より食べる量減ってない？」
『え、そうかな？』
深「細いんだからもっと食ったほうがいいよ」
阿「確かに、食欲ない？」

もともと小食な方だと思うけど、ここまで少なかったかな。

『そんなことないよ。辰くんが気にしすぎなだけじゃない？』

あぁ、確信した。結構つらいことなのに我慢するから食べれなくなる。
ということは、今までの傾向から行くと睡眠も不十分なんじゃないか？

こうして俺たちはAの作った料理を食べ終えた。

阿「ふっか、今日泊ってく？」
『んー、外雨降ってるし泊って行ったら？私も今日泊るし…』

しょうがない、一肌脱いでやりましょう。

深「あー、じゃあ泊るわ。服は阿部ちゃんの貸してー」
阿「おっけー。あ、A先お風呂入ってきていいよ」
『うん、ありがとう。入ってくるね』

自然な流れで俺と阿部ちゃんだけの空間を作ってくれた。さすが。

阿「…ふっか」
深「はいはい(笑) 1つ確実なのは、結構キてるよ、あれ」
阿「…俺、頼りないかなぁ」

阿部ちゃんまでナーバスになってきた。確かに、責任感の強い阿部ちゃんならそう思うだろうな。

深「違う違う。Aの場合誰にでもそうなの。でも、心許したらびっくりするぐらい甘えたになるだろ？」
阿「そうだけど…今なってくれよ」
深「Aさ、1回甘えたになる、言い換えれば弱いところみせた人には、その後ずっと甘えられるようになるのよ。まぁ、そんな人数人しかいないんだけど(笑) でも、俺にも連絡来ないし阿部ちゃんにも言わないってことはそれだけAの中で深刻ってことじゃない？」

Aが甘えたになれる相手なんて、俺と俺の妹と阿部ちゃんと…あと1.2人いるかな、程度しかいない。その俺らに相談しないってことは何かが引っかかるのだろう。

阿「俺から直接聞いていいものなのかな」
深「んー、ここまで来たら聞くしかないよなぁ」

聞くなら早いほうが良い、ということでAが来たら聞くことに。

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