【男主】you we you2【ワンピ夢】 (ページ48)

今日:11 hit、昨日:13 hit、合計:20,541 hit

僕と鳴り響くは熱闘ゴング4 ページ48

『波乱のデービーバックファイト！最後のこの一戦が運命の鍵を握る～～！』

　三回戦の種目は――“コンバット”。
　大砲をお互いに回してルーレットのようにフィールドを決めるのだが、不自然にフォクシー海賊団の方に止まって相手側の陣地で開催される事となった。最初から相手側に有利な条件が出揃っている今回のデービーバックファイトだが、そんなことをとやかく言っているようでは海賊とはいえない。そう、これは海賊のゲームなのだ。
　ルールは簡単、決められたフィールド内で一対一のタイマン勝負。相手をフィールド外へと出してしまえば勝ちだ。
　最後の参加者は勿論我らが……いや、今の俺にはそれが言えない。ルフィ海賊団の船長、モンキー・D・ルフィと、“我らが”フォクシー海賊団船長のフォクシー船長の一騎打ち。

「………ルフィ」

　俺の唇から小さくその名が漏れ出る。試合のゴングが鳴る手前のほんの一瞬、ルフィは俺を一目見た。特に何を言うでもなく、すぐに視線は外されて試合開始のゴングが鳴り響く。
　フォクシー船長のノロノロの実によるノロノロビームは想像以上に厄介なものだった。それでいて自分のフィールドなのをいいことに武器や道具を使い放題のイカサマだらけ。全くと言っていい程ダメージを与えることもできず、ルフィだけがどんどんと傷が増えていく。
　何度やられても、やられても、それでもルフィは――立ち上がった。

「…おれの仲間は…誰一人……死んでもやらん！！」

　自分は役立たずで、誰の力にもなれない人間だと思っていた。ルフィと一緒に、皆と一緒に数々の航海をしてきて、自分の無力さだけを痛感する日々だった。――それでも、ルフィは『お前はここにいろ』って言う。船の皆も俺のことを『仲間』だって言ってくれる。雑用しかできない俺に『助かる』『ありがとう』って……言って褒めてくれる。
　本当はこの新たな船にいる方がもしかしたら俺は役に立てるのかな、なんてことも思った。……けど、そうじゃない。俺の意志はこの船にはない。俺は絶対に、あの船にいなきゃダメなんだ。

「ルフィ！！！勝って！！！」
「おう！！！！」

　俺はルフィが連れ出してくれたから、ここにいる。心の底から俺が否定すればルフィはきっと無理に連れ出さなかっただろう。そうならなかったのは――ルフィだったから。

「責任取って、勝ってよね……ルフィ」