【男主】you we you2【ワンピ夢】 (ページ37)

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僕と空に響く大地の歌声2 ページ37

「このまま出られなかったらどうしよう…」
「Aは心配しょーだなぁ！出れねーわけねーだろ！はっはっは！」
「そうだね、ルフィがいれば大丈夫だよね」

　まあ恐らく、ルフィがいなければこんなことにもならなかったとは思うけど…それは言わないでおく。というかやっぱりこの洞窟はおかしい気がする。さっきから何だか地震のように地面が揺れているし、壁も土や岩っぽくない。もしかして…と考えるけど、いやそんなまさか。ねぇ。

「黄金が手に入ったらルフィは何が欲しい？」
「に…」
「肉以外で」
「えーーー肉以外かぁーーー」

　長く暗い洞窟を歩きながらふと俺はそんな質問をしてみた。答えが肉だということは分かり切っていたのであえて“肉以外”と言ってみるけど、それはもう悩んだ顔をしてみせた。食べ物以外ないのだろうか…。

「ん～～わっかんねぇな！そーゆーお前は何なんだよ！」
「え、俺？俺はぁー…えーっと、」

　逆に問いかけられてしまったので考えてみる俺だったけど、今自分が欲しいものと言えば“強さ”だとか“体力”だとかそんなものばかりで、それは黄金でもどうしようもない。食べ物もサンジが作ってくれるごはんで充分に満足だし、ナミのように洋服やアクセサリーが欲しいとも思わない。ウソップのように新しい発明をするための道具が欲しいわけでも、チョッパーのように薬品や医療道具が欲しいわけでもない。そう思うとやっぱり俺って何もないんだなと思い知る。
　だったら逆に考えてみよう。欲しいものがないのなら、逆に無くなったら嫌なものは何かって。俺から無くなったら嫌なもの、それは――、

「ルフィ……」
「オレ？なんだ、Aはオレが欲しーのかぁ？」
「え！あっ！いや、エッ！？」
「なんだいきなりでけー声出して、ビビんぞ」

　思わず出てしまったその言葉に俺自身も驚いていた。というか、さっき俺が言いかけた台詞と繋げると、今俺は“ルフィが欲しい”と言ったことになるのだろうか？そこまで考えて、一瞬で顔が赤くなるのが分かった。
　違う、そういうことじゃなくて、俺は無くなったら嫌なもの―…いや、そもそもルフィはモノじゃないし。恥ずかしさと訳の分からなさで混乱していると、前を歩いていたルフィがこちらに振り返って言った。