【男主】you we you【ワンピ夢】 (ページ40)

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12 僕と青鼻のトナ/カ/イと桜の木1 ページ40

「お前！！なんで言わなかったんだ！！」

　ドラムロックの頂上にある城で治療を受けた3人…と俺は、時間の許す限り体を回復させていく。ルフィとサンジが目覚め、ナミが目覚め――そして俺がここに居ることに当然皆驚いた。
　上手く説明できない俺を見かねてドクトリーヌが事情を説明する。すると――思いもよらぬ声量でルフィは俺に怒鳴った。仲間を見捨てて俺だけこんなところで治療を受けていたことに怒られるのは当然だと思っている。だから怒られることに覚悟はできていたのだけれど、ルフィの台詞は思っていたものとは違った。

「え……、ルフィ？」
「死んでたかもしんねーんだぞ！？」
「あ、えっと……ごめん、なさい」
「俺、無理すんなって言っただろ！！なんで、言わねーんだよ！」

　こんなに俺に対して怒るルフィを、航海に出て初めて見たかもしれない。ルフィはベッドに上半身を乗り出すようにして、俺の服をぎゅっと掴んで顔を伏せる。そしてどこかその手は、震えている……？

「お前が…Aが死ななくて、よかった…！」
「……ルフィ、」

　子供の頃――姉のマキノが病にかかってしまい、薬草が必要だからと一人で山に登ったことがある。けれどもその時に山賊に襲われて、少し怪我をした。それでも必死に逃げ切って薬草を摘んで家に持ち帰ると、その怪我を見たルフィが酷く怒っていたのを…ふと思い出した。
　どうしてそんな危険なところに一人で行ったんだ！どうして俺に言わねーんだ！って言って、そして最後は泣いて…生きててよかった！って、言ったんだ。

「うん、…ごめんね」

　そう言って、あの時のように…俺はルフィの頭を撫でた。

「そうよA、あたしに気を使って自分犠牲にされるほど、あたしは弱くないわよ」
「そうだぜ、ナミさんはもちろん大事だけど、お前だって…仲間なんだ」

　ナミとサンジは厳しくそう言った後、静かに優しく微笑んだ。じわじわと体の中から込み上げてくるなにかに、俺はもう耐えきれなかった。そしてそれを隠すように俯き、ぽたりと雫を落とす。
　俺は皆より何も出来なくて弱くて、いつも守られて隠れてばかり……そんな自分が嫌で、少しでも迷惑かけないようにって思っていたのに…。皆の言葉があまりにも温かくて、俺は仲間というものを再認識した。そうか――これが、一緒に航海をする仲間なんだ。