僕と雪に覆われたドラム王国の魔女5 ページ39
「ドクトリーヌ」
「ん?なんだいチョッパー、お前外に出てたのかい?」
「急いでくれ、重症なんだ」
「?」
突然、不思議な生き物が現れた。トナカイの角に桜色の帽子、二頭身でモコモコの体、そして青鼻で二足歩行していて、喋った……チョッパーと呼ばれた生き物。未知の生き物にただ驚いて口をあんぐりと開けていると、ドクトリーヌはチョッパーに連れられて部屋を出て行ってしまった。
何はともあれ一人になったこの空間で、今のうちだと思って俺はベッドから出て部屋の扉を開ける。すると城の中だというのにそこは極寒で、一瞬で身震いした。それでも仲間を…ナミやルフィ、サンジが心配で俺は必死に出口を探す……と、
「ルフィ!?」
血だらけになって気絶しているルフィとサンジと、熱にうなされ荒い息をするナミが、チョッパーとドクトリーヌに抱えられて城へ入ってくるのが見えた。その瞬間、外に出たことがバレてドクトリーヌに殺されそうになるが、今はそれどころではない。
ルフィは素手で2人を抱えてこの標高5000メートルのドラムロックを登ってきたらしく、酷く損傷していた。その中でもナミの症状は重症のようで、ドクトリーヌはすぐにナミの治療を始める。俺は強制的にベッドに戻されて、3人の安否を願うだけしかできなかった。
数時間後、全員の治療を終えたドクトリーヌは一息つくように酒瓶片手にイスへと座る。チョッパーという青鼻のトナカイの生き物は、今もまだせこせこと歩き回ってみんなの看病をしていた。
その時にドクトリーヌから話を聞くと、チョッパーはヒトヒトの実を食べた能力者なのだという。元々青鼻のせいでトナカイからは仲間はずれにされ、ヒトヒトの実を食べたことで更に隔離されてしまう。だが人にもなりきれず、チョッパーは孤独な人生を歩んできた……と。
「(でもきっと、ルフィは言うんだろうな…)」
仲間になれ、って。
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△(プロフ) - 宝石さん» ありがとうございます! (2022年10月11日 21時) (レス) id: be101e7b3c (このIDを非表示/違反報告)
宝石 - 続き見たい! (2022年10月11日 0時) (レス) id: d7e4bd1ac9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:△ | 作成日時:2022年10月3日 4時