【男主】you we you【ワンピ夢】 (ページ21)

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08 僕と始まりと終わりの町1 ページ21

我が麦わら海賊団の船長モンキー・D・ルフィはこの度、御尋ね者になりました。
それはある昼下がりの平和な航海時、新聞に挟まっていた手配書のなかに…我が船長のニッコリとした満面の笑みが写されていたのだ。それに喜ぶのはもちろん船長で、若干後頭部だけ写っていたウソップも何故か喜んでいる。どうやらそれに落ち込んでいるのはナミだけのようで、ゾロは無関心だしサンジは若干イジけていた。俺はちょっとびっくり。
その後、船はある島に向かっていた。“偉大なる航路”に近づいた証拠だと言う、ローグタウン。別名、“始まりと終わりの町”と言うらしい。ここで海賊王G・D・ロジャーが生まれ、ここで死んだ。そして、大海賊時代が始まったのだ。島自体も栄えている為、ルフィ海賊団はここでグランドラインに行くため色々な調達をすることになった。ルフィは死刑台に、ゾロは刀を、ナミは買い物、ウソップは装備集め、サンジは食料調達に。そして俺は、

「A行くぞ！！」
「え、あ、ちょっ…！！」

と、船長に引かれるままに死刑台へと向かうのだった。人の話聞けコラ。だがローグタウンは人で栄える町、人ごみに突っ込んでいくルフィに付いていくのは大変で、走って走って走って走り抜けたそのときには……もう、彼は俺の手を握っていなかった。姿も見えない。多分本人も気づいていない。完璧に、はぐれた。でもまあはぐれても目的地は変わらないので、大丈夫だろう。俺は若干駆け足で死刑台へと向かった。

「あれ、おかしいな…」

だがそれも何故か上手くいかず……。どうやら俺は忘れていたようだ、自分が結構方向オンチだったことを。しかもここはどこだろう、ローグタウンのあの人ごみとはかけ離れて、何だか大きな建物の中のような気がする。いや、建物の中だ。とりあえずどうやって入ったのかも、どうやって出ていくのかも分からない。ルフィは今頃何をしているだろう…。もう死刑台を見つけて興奮しているのだろうか。面倒なことになっていないといいけど。ああ、面倒なことになっているのは自分の方だ。

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