【男主】you we you【ワンピ夢】 (ページ19)

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僕とある昼の海賊団5 ページ19

「ごめんなさい！」
「そういうこと聞いてるんじゃねーって、ただ何してんだって」
「えっと……ゾロの、その…傷」
「あ？」
「凄く、痛そう……」
「ああ、んなの大したことねーよ、寝てりゃ治る」

その傷でそんなこと言えるのゾロだけだよ。どこからその自信が出てくるのかというほどキッパリと断言される。ああまるで、ウチの船長のようだ。元々ゾロも若干ルフィと同じ匂いがしていたのは確かで、そんな彼もやはり何に対しても強くて……憧れる。

「この傷、俺に移れば……いいのにって」
「はぁ？」
「思って…」
「バカなこと言ってんじゃねーよ、なんでそうなんだ」
「だって、俺はずっと…何も出来ないのに、皆は強くて、それで……痛みだけでも、俺が貰えたら…いいのにって」

ずっとずっと、この先この疑問はもしかしたら、消えないのかもしれない。俺は何も出来ないまま、ルフィの仲間が増えていく。ルフィ海賊団が出来上がっていく。俺はそれが嬉しくもあり、怖かった。どんどん俺の居場所がなくなっていくようで、どんどん自分を否定されていくようで…。

「お前はここに居ろ」
「…？」
「お前はただ、ずっとここに居て、船長の横に居ろ」

それが、お前の居場所だ。
優しく俺の頭をきゅっと撫でてくれて、ゾロは真っ直ぐ俺を見てそう言ってくれた。

「俺は、」
「Aーーーー！Aーーーー！！どこだーーーー！？」
「噂をすれば…だな、呼んでるぜ」
「う、うん…！あ、もうお昼だから中に…」
「ああ、今から行く、じゃあ後でな」
「え、あ…うんっ」
「Aーーーーーーー！！！」

うるさく聞こえてくる船長の声にかき消されそうになりながら、ゾロは立ち上がって食卓の方へと足を進めた。まだ眠そうな彼の背中を見つめ、そしてどんどんと近づいてくる声に、