05 桜木軍団と私1 ページ11
「あ、流川くん、頭は大丈夫そう？」
「…ああ」
花道がバスケ部へ入ることになった。
昨日バスケ部の主将に喧嘩を売って１対１の勝負をすることになり、無茶苦茶なルールだが花道は初心者ながらにバスケ部主将に見事勝ってしまった。しかもバスケ部の主将は花道が想いを寄せる赤木晴子の兄ということが判明し、花道はバスケ部に入部することを決める。
だが、入ることになった…というのは花道だけで、実際はまだ認められていないらしい。なので花道は今日、バスケ部に入部しようと試行錯誤していた。
…まあ、そんなことはどうでもいい私は、丁度お昼休みになった時に隣で寝ていた流川くんと目が会ってつい話しかけてしまった。まあさすがにあれだけの怪我を手当てした身としてはその後大丈夫かは心配になるわけで、これくらいは話しかけて当然だろう。そして流川くんは相も変わらず、返事はアレだけでした。
「佐倉さん！今流川くんと話してた！？」
「どういうこと！？流川くんが話しかけて返事してるとこ初めて見た！！」
「え、えー…」
もはや流川楓は女子のアイドル的存在だった。ちょっと言葉を交わしただけで女子達が目の色を変えて一斉に私の方を囲んでくる。もう彼に話しかけるのやめよう。
「オイA！お前も手伝え！！！」
「は！？って、花道！？」
「フン！」
「ちょ、え、ええええ！？」
ガシッひょいっ、という感じで突然現れた花道に片手で脇腹に担がれて物凄い勢いで教室から連れ去られる私。きっと今頃教室でも女子たちが呆然としているだろう。もう私はただ目を丸くしてされるがままに固まっていた。というか理解が追いついてない。
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作者名：△ | 作成日時：2022年9月30日 0時
